ナイフのメンテナンスについて【研ぎ編】~ Nice knife life. vol.7 ~

刃物は使っているうちに摩耗して徐々に切れにくくなっていくもの。でも、どうやって研いだらいいかわからない。そんな不安や疑問に応えるべく、未経験のFEDECAスタッフが研ぎに挑戦しながらその How toを解説します。

公開日 2017.11.24

更新日 2017.11.24

ナイフのメンテナンスについて【研ぎ編】~ Nice knife life. vol.7 ~

刃研ぎってとっつきにくいイメージありますよね。どうやって研いだらいいかわからない、そんな不安や疑問に応えるべく、日本を代表する砥石メーカー、ナニワ研磨工業㈱の串岡さんのレクチャーのもと、未経験のFEDCAスタッフが研ぎに初挑戦しました。

最後に研ぎの工程を紹介した動画も用意しておりますので、記事と合わせてご覧ください。

用意するもの

中砥石1000番、仕上げ砥石3000番、 霧吹き、タオル、ウエス(布巾)、椿油
今回の砥石にはナニワ研磨工業さんの新製品「HUNTER」を使用しました。

まずは中研ぎから

1000番の砥石から使用します。
研いでいる途中で砥石が動かないように濡れたタオルを下に敷きます。

霧吹きで砥石面全体を濡らします(砥石によっては水に浸ける必要があります)。
早速、刃を研いでいきます。

刃先側を手前に、ナイフを45~60度の角度で砥石の上に乗せます。
次に刃先の部分だけが砥石に触れるようなイメージで、刃を砥石に当てたまま、ナイフの背中を少し持ち上げます。持ち上げる角度は15度くらいとのこと。
15度って言われても、イメージってわかないですよね。
刃を砥石の上で寝かせた状態から背中を少しづつ持ち上げ、刃先が砥石にピタッと付いた時の角度で研いでいきます。
一度に包丁全体を研ぐことは難しいので、イラストのように3か所に分けて研ぎます。
砥石の半分(砥石に向かって右側)を使って、刃の先端部①からまっすぐ研いでいきます。
包丁の角度をできるだけ維持したまま砥石の上を前後にスライドさせます。20往復が一つの目安だそう。刃を押す時は力を入れ、手前に引く時は力を抜いて研いでいきます。
研ぎ終わったら、「かえり」が出ているか指で触って確認します。
包丁がうまく研げたかどうかは「かえり」と呼ばれる刃の削りかすがついているかどうかでわかります。
「かえり」ができていると上手く研げた証拠です。逆に「かえり」がなかったら、研げていないのでもう一度研ぎ直す必要があります。
刃先をさわってざらつきを感じたらOKです。
続いて、中心部を20往復を目安に研いでいきます。
最後に、同様に刃元部を20往復研いでいきます。
最後に「かえり」を取ります。
砥石の向きを変えます。砥石を左右均等に使用することで、砥石の減りを抑えることができます。
続いて裏面を研ぎます。

こちらも同様に45~60度の角度で、ナイフの背中を持ち上げ刃先を砥石に当て、刃を押す時は力を入れ、手前に引く時は力を抜いて研いでいきます。
ただ表側とは異なり、背中を持ち上げすぎたり、刃を抑える指に力を入れすぎたりすると、刃を押すタイミングで刃先が砥石に引っかかってしまうので注意が必要です。

表側と同様に、まずは先端部を20往復。
続いて中心部を20往復。
そして裏側の刃元部は研ぎにくいので、砥石に対して垂直にして研いでいきます。こちらも20往復。
「かえり」を確認し、刃元から先端部までかえりが出ていればOK。表側と同様に「かえり」を取ります。
これで中砥石の工程は完了です。
表側は先端部が少し寝かせて研いでしまったため、刃先のラインが少し膨らんでいることが分かります。
しかし裏側は、根元から先端部にかけて均等に研ぐことができました!

仕上げ研ぎ

今と全く同じ工程を#3000の仕上げ砥石で繰り返します。
表側を先端部→中心部→刃元部の順番に20往復ずつ研いで、刃がえりを取る。
砥石の向きを変える。
裏側も同様に先端部→中心部→刃元部の順番に20往復ずつ研いで、刃がえりを取る。
これで研ぎは完了です。

刃の汚れを布でふき取り、錆を防ぐために椿油を塗ります。用意するのが難しい場合はオリーブオイルで代用することも可能です。
最後に切れ味の確認。刃をスライドさせながら紙を切断し全体の研ぎ具合をチェックします。
スパっと気持ちよく切れました。「かえり」が残っていたり、研げていない部分があると繊維が引っかかってうまく切れないそうです。
一連の流れを動画にまとめました。
こちらも併せてご覧ください。
ちなみに欠けた刃を修正する場合は、研磨力の強い200~300番の砥石で、刃欠けがなくなるまで研ぎ、その後今回ご紹介した流れで1000番、3000番の砥石で研いでいきます。

クラウドファンディングに挑戦中!

『FEDECA』 は、ただいまクラウドファンディング「Makuake」に挑戦中です。

今回研ぎに使用したフォールディングナイフはMakuakeにて販売中のIt's my knife folding style。

ステンレスに国産の高級鋼「青紙」を挟み込んだブレードになっています。
大工道具や和包丁など、プロに愛される「青紙」は研ぎやすく長切れするのが特徴。
適切にメンテナンスしていただければ長く大切に使用していただけます。

是非、ご支援よろしくお願いします。

Have a knife day !

FEDECA

WRITTEN BY

FEDECA

Japan

明治28年創業、播州三木の老舗金物メーカーが手がける刃物ブランド。 アウトドア、キャンプ、DIY、ステーショナリー、クッキングを軸としたライフスタイルを彩る新しい刃物製品を提案。 ハンドルを削って作る自作ナイフキットIt's my knifeシリーズ、ダマスカス鋼の高級ステーショナリーナイフNagel knifeシリーズを展開中。