金華山復興〜作業所棚製作編〜

東日本大震災の震源地に最も近かった金華山という島の復興。2017年5月の今回は、3つのグループに分かれて修復&創作してきました。そのうちの三つ目、作業所を整理するための棚の製作です。

公開日 2017.07.21

更新日 2023.04.16

金華山復興〜作業所棚製作編〜

今の作業所は、元々観光客の方々の休憩所だったのですが、震災後に土砂が流れ込み、休憩所として使えなくなったので作業場として使用している場所です。
復旧作業におわれ、工具が整理できていなかったので、作業効率を上げるためにもCRAFTMAN世田谷の白井さんの提案で作成することになりました。

効率格子状の棚を作ります。今回は15コマの仕切りに分けられる3列5段の棚。L型金具を使わずに切り込みを入れてそれを繋ぎ合せて棚を作っていきます。

今回使用した物は板材、メジャー、ノコギリ、ボッシュドライバードリル、電動丸ノコ、コーススレッド(木ネジ)等です。

木ネジは下穴を開けなくても木割れがしにくいように造られています。
また使用した半ネジの場合、ネジ山側には溝が切られていないので、木材を重ねて打ち込んだ時に、ネジ山側の板材がネジ先側の板材と密着する方向に力が加わるので、板材に隙間が生じにくくなっています。
木材の締結にぴったりのビスです。今回は板厚の二倍より少し長めのサイズでそれ程長くないタイプの物を使用。
初めに白井さんが作ってくださった設計図を元に、電動カッターで木を天版と同じ長さの板6枚、側面の板の長さで4枚、計10枚を切り分けていきます。(今回は重い工具を置く棚なので補強の為さらに棚背側に2枚板材を追加して打ち付けてあります)
それぞれの材料に穴を開ける部分、重なりカットする部分、付けていく部分を下書きしていきます。

棚板を合わせる側と直接木ネジで留める側きちんと板厚の真ん中にネジ留めできる様測り、表裏に印を付けていきます。
棚の中にあたる接合部分の箇所を
手鋸でひたすら切っていきます。

コの字形に引いてある下書きの内長い2線(板材が重なり合う長さ)を切り、コの字の先端部分(板材の厚みの長さの部分)は最後に折切ります。若干凸凹になってしまった部分は手鋸やノミの様な物でしっかりとカギ落とします。
コの字に切った側が上にくるよう、板材を並べ隅からドライバードリルで留めていきます。初めに留めるL字角は不安定で抑えにくく、外側にネジが出てしまう恐れがあるので慎重かつ迅速に、ドリルを使う際、本体をしっかり押さえてぶれない様に垂直に打ち込みます。
中側も所定の箇所で押さえて、重なった部分の板の厚みの真ん中に次々とビスを打ち込んでいきます。

最後の切り込みを入れた板材も対応している切り込み同士を重ね合せてはめ込み、平行になる様に削るなどして微調整していきます。
棚の対角の長さを測り、同じ長さに修正する事で歪みを調整したら、全ての側面をビスで固定して完成です。

今回もBOSCHさんのインパクトドライバーが大活躍でした! コードレスなので共同作業がスムーズに。

同じサイズの棚を2つ製作し、横に並べ迫力のある工具置き棚になりました。
今回は棚を強化する為に、背面にさらに2枚板を入れ、棚の位置固定に後ろの柱にも軽くビスで留めました。

今回の格子棚の作り方は、一つ一つのコマを切り分けて繋ぎ合せている訳では無いため、短時間で強度の高い棚を簡単に製作できる方法のようです。
震災以降ずっと作業を続けてきた、三上さんと上川さんが嬉しそうに工具を入れているのを見て、製作した意味を感じました。

Shogo

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Shogo

Japan

東日本大震災復興支援団体this is a penの代表です。
いつもは雑誌や広告などのモデルのお仕事をしています。