あたたか〜いコーヒーを−10℃の氷上でどうしても飲みたかったお話。

公開日 2017.02.18

更新日 2022.01.07

あたたか〜いコーヒーを−10℃の氷上でどうしても飲みたかったお話。

MISSION!!:最高の環境で淹れたてコーヒーを飲む!

正月気分もとっくに終わった2017年1月末。今年もDIYer(s)編集部の毎年恒例行事(?)、DIYした釣竿でワカサギ釣りを長野県の松原湖にて開催いたしました!夜になれば星空が照らす大自然に囲まれた氷の湖が舞台なわけですが、夜も明けない朝5時頃から準備を開始するため、気温は-10℃以下な上に周囲は一面雪景色…。

そこで考えたのが、“そんな景色と環境の中、淹れたてのコーヒーを飲んだら絶対美味い!”ということ。そこで、「先日のDIY Vol.3〜ドリッパースタンドを折りたため編〜」で作ったドリッパースタンドを使ったドリップコーヒーと、フィルターとタコ糸を使ったコーヒーバッグ淹れたものの2種類に挑戦しました。果たしてその味はいかに!?

今年のワカサギ釣りの様子はこちらから

 

月と星の明かりを再認識する、松原湖の夜。

 

ワカサギ釣りが解禁となる朝6時になったと同時に湖へ繰り出すDIYer(s)編集部のメンバー。この時の気温は、−13℃でした。

 

釣竿のメンテナンスやテントの設営、ワカサギ釣り用の穴の掘削が終わった頃、ようやく日が昇ってきました。

 

SCENE.01!!:コーヒーを淹れるためのテーブルを作れ!

ということで、早速美味しいコーヒーを淹れるための準備も開始します。まずはテーブルがなくては何も始まりませんよね。そこで今回活躍してくれたのが、多摩製作所からリリースされているホールドレッグ。鉄で製作された脚パーツなのですが、こちらと天板があれば好きなデザインかつ、どんな場所にもテーブルが作れてしまう優れものです。脚自体に重量があるので本来は持ち運びには向いていないのですが、今回は凍った湖の上をソリを使って荷物を運べたので使用してみました。

 

右の天板はReclaimed Worksのリクレイムドウッドを使って制作された天板です。ホールドレッグ1本¥3,590+TAX<多摩製作所/tama.s.s@kba.biglobe.ne.jp

 

使い方はとっても簡単で、4つの脚をネジを回してテーブルに固定するだけ。鉄素材だったので、キンキンに冷えています。

 

4つ付けた様子がこちら。

 

ひっくり返せば、立派なテーブル完成です。凍った湖の上に突如現れたテーブル。シュールな絵面ですね。こちらのホールドレッグはホームセンターのエンチョーやロイヤルホームセンターにて取り扱い。

 

SCENE.02!!:美味しいコーヒーを淹れる!〜ドリップ編〜

先ほどもお伝えした通り、2種類の淹れ方でコーヒーを楽しみたいと思います。まずは、DIYした折りたたみ式のドリッパースタンド&ドリッパーを使ったドリップコーヒーから。

 

折りたたみ式なのでスペースを取らないのが嬉しいところ。折りたたんだドリッパーを引っ掛けて収納も可能です。DIYer(s)の焼印が押された部分は、取り外すことでコースターに早変わり。

 

先ほどのテーブルの上に、コーヒー道具を並べた様子がこちら。氷上にちょっとしたカフェスペースが出来上がりました。

 

豆を挽いていきます。今回はしっかりとローストされた深煎りの豆を選びました。寒い中ワカサギ釣りをしているので、コクと渋みが身体に染みるはず。また、山登りのように荷物が制限される環境ではなかったため、コーヒーミルは家庭用のものを使用しました。

 

次にお湯を沸かします。焚き火台に固形燃料を入れて待ちます。…。……。………。外気が低すぎるのと、風が強いため全く湧く気配がせず。即座にカセットコンロを取り出し、そちらにスイッチ。文明の利器ってすごい!

 

ワカサギ釣り中の様子がこちら。ジャケットからパンツ、シューズまでダウン仕様で臨みましたが、やっぱり寒い!その場にいるだけでまつげが凍っていくという、−10 °C以下の世界を身に染みるほどに感じました。

 

もちろんテントもあるのですが、DIYer(s)編集部はあまり活用せず。あまりにも寒かった時に暖を取りに行くベースキャンプ的な役割を果たしていました。

 

DIYした竿の中には、ラジコンを使ったものも。

 

豆を挽き、お湯が沸いたら、早速ドリップの準備をしていきます!1杯分の豆をドリッパーにセットしたフィルターへ入れていきます。ちなみにここで使用しているスプーンは神沢鉄工さんから展開している《it’s my knife》で製作したもの。

 

スタンドに入れた溝のおかげで、風に吹かれても動かず、作業もしやすい仕上がりに。ドリッパーの幅が狭かったため、豆を広がるように入れられなかったのが心残りでした。

 

お湯を軽く注いだら、豆を蒸らし、プクプクと膨らんでくるのを待ちます。ちゃんと抽出されるか、ドキドキです。

 

豆を十分に蒸らしたら、“の”の字を書くようにしてお湯を注いでいきます。

 

抽出口からしっかりとドリップされたコーヒーが染み出ていきます。しっかりとドリップされているようでまずは一安心。

 

少しずつ、少しずつドリップを行っていき、1杯分の量が抽出できたら出来上がりです!ということで、凍えながらワカサギ釣りをしていたメンバーに飲んでもらいました。

 

しっかりと色濃く抽出できており、カフェスペースの周りには淹れたてコーヒーの香りが立ち込めます。

 

飲んでみた感想としては、“味と香りはいいけど、ぬるい!”という反応が。それもそのはず、外気が−10°C以下だったため、ゆっくり抽出しているとすぐにコーヒーが冷めていってしまったようです…。マグカップについたコーヒーの水滴が凍っていた時点で気がつくべきでした。ということで、熱めに沸かしなおしたお湯で、やや早めに抽出したところ、しっかりとあたたか〜いコーヒーを作ることができました。

 

再度淹れ直したコーヒーを飲むDIYer(s)メンバー。奥にある、銀色に輝く謎のティピは一体…? 詳しくはこちらから。

 

【結果】

美味しさ ★★★★☆

手軽さ  ★★☆☆☆

DIY感  ★★★☆☆

 

−「クールになるな、果敢に淹れて熱く飲め!!」−

 

SCENE.03!!:美味しいコーヒーを淹れる!〜コーヒーバッグ編〜

こちらは、“ドリッパーやスタンドをいちいち持っていくなんて面倒くさい!”という方にオススメなコーヒーバッグ方式の楽しみ方。これならわざわざ山で豆を挽かなくてもいい便利なコーヒーの楽しみ方です。

必要なのはウェーブ式のコーヒーフィルターとタコ糸の2つだけ。あとはお気に入りの豆があればOKです。

必要な道具を並べてみると、コーヒーバッグの方がコンパクトに。

 

フィルターに1杯分の豆を入れていきます。

 

豆を入れたら、フィルターの上部をくるっとしてタコ糸で結びやすいように。タコ糸は適度な長さにカットしておきます。

 

フィルターの上の部分をタコ糸でキュッと結びます。強く結びすぎると破けてしまうので注意しましょう。

 

巻き終わった様子がこちら。可愛らしいコーヒーバッグができたらあとはカップに入れてお湯を注ぐだけ。フィルターに包む作業を自宅で済ませておけば、ジップロックなどに入れて、お湯を入れるだけで、コーヒーが出来上がるんです。

 

お湯を注いだら5分ほど待ちます。ドリップ式よりも抽出されにくいコーヒーバッグ方式。今回は厚めのフィルターだったので、薄めのフィルターを選んでもいいかもしれません。

 

お湯を入れてからコーヒーバッグを軽く揺らしたりしながら、待つ事5分。ドリップでじっくりと抽出した場合よりはやや薄いですが、しっかりと抽出できました。ドリップ式ではすぐにぬるくなりがちな温度も、一度に入れているため温かさをキープできています。

 

 

こちらもワカサギ釣り中のメンバーへ差し入れ。感想としては、“ドリップ式に比べると若干香りとコクは落ちるけど、しっかりと美味しい”とのこと。先述の通り、やはり抽出度合いではドリップ式に軍配が上がりました。

この時すでに8:00で日は昇っているものの、気温は以前と−10°C以下をキープ。

 

【結果】

美味しさ ★★★☆☆

手軽さ  ★★★★☆

DIY感  ★★★★☆

 

−「工程:インスタント、味&香り:本格派!」−

 

SCENE.04!!:2つのコーヒーを振り返ってみる

総括としては、ドリップ式、コーヒーバッグ式どちらも一長一短がありました。

味で勝るのはやはりドリップ式。とはいえ、ドリッパースタンド、ドリッパー、フィルター、コーヒーケトルを持ち運べるのは、今回のような荷物に余裕のあるレジャーだからこそ。BBQやキャンプといった行楽ではなく、ストイックな山登りでは不向きかもしれません。それでもドリップ式を楽しみたい場合は、ドリッパーからカップへ直接抽出すれば少しは荷物の簡素化ができますね。

コーヒーバッグ式の長所は何と言っても手軽さ!自宅で準備をしていけば、温かいお湯の入った水筒とマグカップがあれば美味しいコーヒーが楽しめます。味と香りもドリップ式に比べれば劣りますが、十分に楽しめるレベルです。荷物は少なくしたいけど、気楽にコーヒーが飲みたいという方にオススメです。

 

 

いかがでしたでしょうか?正直、雪山や凍った湖の上といったアウトドアで飲むホットコーヒーは、ゲレンデで食べるカツカレーや市民プールで食べるカップヌードルぐらい、美味しく感じてしまうシチュエーションではありますよね。ただ、仲間とアウトドアへ出かけた際のちょっとしたスパイスとして自分なりのコーヒーの淹れ方で仲間へ振るまえたら素敵じゃないでしょうか?

また、ドリップ式やコーヒーバッグ式のほかにも、簡易的なエスプレッソが直火で作れるマキネッタやフレンチプレス構造のマグカップなど、アウトドアでコーヒーを楽しむ道具は豊富に揃っています。様々な方法がありますので、自分のアウトドアスタイルにフィットしたコーヒーの楽しみ方を選べたら素敵ですよね。DIYer(s)編集部が選んだのは、氷上でエプロンをつけて、DIYした道具を使ってわざわざドリップするという楽しみ方でした。

 

 

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