この完成度、もはや現代アート!?木製ペーパーホルダーをDIYしてトイレにも遊び心を

インテリアに気を遣っている人なら、リビングはもちろん、寝室や洗面所、トイレにだってこだわりを持っているはず。ということで今回は、デザインが被りがちなトイレットペーパーホルダーをDIYで作ってみましょう!ここまで行き届いたDIYerぶりに、来客者も感心すること必至。ぜひお試しあれ!

2023.04.13

はじめに

インテリアにこだわりを持つみなさまなら、来客時に「すごい!おしゃれだね」とお部屋を褒められた経験も少なくないのではないでしょうか。ですが、一歩リビングを出たらそのこだわりは消滅。寝室をはじめ、他の部屋にはなかなか手が回らないという声もよく耳にします。そこで!リビングの次に来客者の目に触れることの多い空間“トイレ”にも、DIYer魂を持ち込んで「こんなところまでこだわりが!」と感心される空間作りを目指しませんか?

作るもの

今回作るのはこちらのトイレットペーパーホルダー。ご覧の通り、ホルダーからペーパーカッターに至るまで全てのパーツを木で再現しており、パッと見た瞬間「え!」となること必至のプロダクトとなっております。また、ビジュアルだけでなく、ペーパーの交換やカットといった日常使いにもしっかりと対応しており、機能面でも妥協することのない優れものなんです。

材料

木材A (針葉樹合板)120×100×12mm 2枚
木材B (針葉樹合板) 130×100×12mm 1枚
木材C(シナベニヤ両面張り) 230×300×1.8mm
丸棒A Φ4mm
丸棒B 600×Φ24mm
木テープ 12mm幅

STEP.01 合板を曲げ、フタ部分の制作

まずは、ホルダーのフタ兼ペーパーカッターとして利用する木材Cをグニャッと曲げるために、ぬるま湯に20〜30分浸しておきます。
20〜30分経ってしっかりと水分を含ませたら、おおよそトイレットペーパーと直径が同じくらいの筒(ある程度硬さのあるもの)に木材Cを丸みに沿うように荷締めバンドで縛ります。この時、全体をバランスよく締めていかないと板が歪に曲がってしまうことがありますので、バンドを5つほど使用してできるだけ綺麗な曲線を描くよう意識して作業してみてください。しっかり締めることができたら、この状態で丸一日放置します。

ちなみに、以前DIYer(s)ではこのベニヤ板を曲げる技を使って壁掛けラックもDIYしております。板を曲げるコツについても詳しく書いておりますので、気になる方はぜひ目を通してみてください。
翌日バンドを解くと、固定していた通り木材Cは“U”の形に。ですが、トイレットペーパーホルダーとして使うには片側は真っ直ぐに伸びている“J”の形が理想的なので、写真のようにスチームアイロンを使って片側を伸ばしていきます。
次に、今回用意した木材B(背板)は横幅が130mmなので、それに合わせるため木材Cも128mmでカットしていきましょう。ちなみに、曲がったベニヤ板は切るのが難しいため、写真のような小ぶりな手のこを使って作業することをオススメします。
横幅を揃えたら、次はペーパーカッターとして機能する切れ込みを入れていきます。木材Cのカーブした先に、カッターや手のこを使ってギザギザに切っていきましょう。板自体が薄いのでカットは簡単にできますが、できるだけ均等な幅で見た目にも美しく作っていくのは意外と難しいため、集中して作業に取り掛かってください。
最後に、ご覧の通りこのままだと長さが合っていないのでアイロンで伸ばした部分を65mmカットし、フタ部分は完成です。板を曲げる工程は放置する分の時間がかかってしまうので、前日の夜などから仕込んでおけると作業がスムーズで良いですね。
ちなみに、この時点で手元にあるパーツを仮で合わせてみると、このような状態に。なんとなくペーパーホルダーの原型が見えてきたところで、次にいきましょう!

STEP.02 ホルダー部分の制作

次に作っていくのは、赤枠で示したホルダー部分。トイレットペーパーを取り付けるためのカキコミや、前面を曲線で仕上げて見栄えを良くするための工夫が施してあります。
作業時には、この完成イメージを頭に浮かべておくとスムーズに進めますし、分からなくなったら一度この写真に立ち返ってみましょう!
まずは用意していた2枚の木材Aを、写真で示した通りにマークしてください。赤枠部分のカットに関しては、手のこで細かく切れ込みを入れていき、パキッと折っていくいつもの手法です。また、左右で均等であれば深さはざっくりで構いません。
カットするとこのような形に。前面に丸みを持たせるのはあくまでデザイン的な意味合いしかありませんので、もし角ばった仕上がりにしたいという場合は省いてしまってOKです!
ホルダーに取り付ける丸棒にも、12mm幅のカキコミを作っておきます。実際に丸棒をホルダーに当てながら位置を取り、先ほどと同じく手のこで細かい切れ目を入れてパキパキと折ると綺麗なカキコミに仕上がりますので、ぜひ試してみてください。
このように、カキコミ同士がぴったりと接合するイメージです。もし位置が決めづらいという場合は、写真のようにまずは片側だけカキコミを作り、その状態でトイレットペーパーをはめてもう片側の位置を割り出すなどしてみるのも効率的です。
次に、フタがパカパカと開閉するための仕組みを、丸棒を通すことのできる「コマ」を使って作っていきましょう。端材で構いませんので、25×25mmの木材を2つ切り出し、その中心に10mmのドリルビットで穴を開けてください。
丸棒をコマに通したら、フタの外側から5mmずつ内側に入ったところにコマを固定していきます。固定方法は、いつも通り木工ボンドを薄く塗り広げて指で圧着する流れです。
ホルダーの方にも、もうひと手間。写真の位置に4mmのドリルビットで穴を開け、コマから出た丸棒がホルダーにも引っ掛かるためのスペースを作っておきます。これで、ホルダー部分の制作は完了です!

STEP.03 木テープで仕上げ

このまま完成としてしまっても良いのですが、せっかくなのでクオリティを高めるために木テープを貼り付けていきたいと思います。木テープとは、天然の木材を薄くスライスしてテープ状に加工してある商品で、木口に貼ることによって“製品感”を醸し出すことができるように。
木口にぐるりとテープを貼り終えたら、写真のようにカッターを使って角を削っていきます。こうすることでよりテープが馴染み、見ただけでは何かを貼ってあることが分からないほど自然な仕上がりになってくれるのですから、驚きです。

完成

木テープを貼り終えたら、ついに完成です!いかがでしょうか、木だけで作ったことにより、まるで現代アートのような作品性を感じるトイレットペーパーホルダーになったのではないでしょうか。プラスチックや金属製のものがスタンダードの製品だからこそ、それを木で再現した達成感はなかなかのものです。
それでは、実際にトイレの中でどんな存在感を放ってくれるのか、設置してみましょう!

設置

取り付けてみた様子がこちら!こうしてみると、フタやホルダーにつけた丸みがペーパー自体の曲線とよくマッチしていて、優しい印象のプロダクトに仕上がっています。無塗装の仕上がりだからこそ、どんな壁紙でも馴染んでくれるのが嬉しいポイント。
それでは気になる動作チェックをしていきましょう。まずはフタの先端に作っておいたギザギザ部分ですが、プツプツと小気味良い音を鳴らしてペーパーカットしてくれました。正直、どの程度の切れ味になるのか不安もあったので、この成功に撮影スタッフ一同でガッツポーズ。ギザギザの深さや幅によっても切れ味は変わってくると思いますので、そこは試しながら理想のバランスを見つけてみてください。
ペーパーの交換の際には、カキコミによって接合されている丸棒を上に持ち上げることでこのように取り外すことができます。ここも思った以上に動作がスムーズで安心しましたが、ホルダーのカキコミと丸棒があまりにもフィットしてしまっていると、やりづらいのではないかと感じました。多少ここはゆとりがあっても構いませんので、作ってみる際にはぜひ意識してみてください。

まとめ

今回は、デザインが被りがちな隠れたインテリア「トイレットペーパーホルダー」をDIYしてみましたが、いかがでしたでしょうか。他にはないデザインでトイレにちょっとした遊び心を持ち込める、素晴らしいプロダクトになったのではないかと思います。ぜひ、ご家族での週末DIYでチャレンジしてみてください。
撮影:薮内努(TAKIBI)
監修:岩西剛

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