家具はほぼDIY!古民家で自分らしく暮らすDIY可能物件!

昨今、徐々に増えてきているDIYが可能な賃貸。読者諸氏の中にも、その条件で家を探している方もいるんじゃないでしょうか。そして、今回突撃取材させてもらったお宅がまさにDIYしていい物件なんです。気になる実情をあれこれ伺ってきました。

2022.01.07

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足りないものは自分たちで作る生活スタイル

今回、突撃取材させてもらったお宅に住むのはDIYer(s)でも取材させてもらった東京の家具工房〈KOMA(コマ)〉で働く平塚さんと、編集プロダクションに勤めるDIY好きの緑川さんのお二人。そして、こちらのお宅のポイントはなんと言ってもDIYが可能な賃貸ということ。なぜこの条件で探したのか、住んでみてどうなのかなど聞いてきました。

テーブルでくつろぐ平塚さん(左)と緑川さん(右)。目の前が大きな公園ということもあって窓から先の景色は木々が広がり、気持ちのいい風が入ってきます。

(緑川さん 以降:緑川)「この家の前は大人数のシェアハウスに住んでいたんですが、物作りが好きということもあって次はDIY可能な物件に住みたいと思ったんです。ということで私たちの勤務先の中間ぐらいのエリアでDIY可能な賃貸情報を、R不動産とDIYPで毎日チェックしていました。そんな時にこの物件がR不動産に出て、たまたま担当者が知り合いだったので、直接連絡してその週末に内見させてもらいました」

(平塚さん 以降:平塚)「初めは吉祥寺あたりであればいいなと思っていたんですが、やはり人気エリアなのでなかなか出てこなかったですね。ただこの物件も自分たちの後にすぐ申し込みがあったようで、早めに言っておいてよかったです」
真摯に探した結果、出会った物件。昨年のゴールデンウィークから、お二人のDIY生活がスタートしたんだそうです。

大家さんのご好意で引越しする前に行った作業が天井の塗装。「白い所は全部塗ったんですが、はじめは木のままの色だったので山小屋ような見た目でした。あと養生が甘かったせいで、ペンキがそこら中に飛び散っています(笑)」と緑川さん。

小上がりとなった畳エリアは床下収納もあり、重宝しているんだそう。また、壁は天井の塗装に使った白のペンキに、100円ショップで購入した塗料を調合して塗ったそうです。費用も抑えることができるナイスアイデアですね。

大容量の本棚も平塚さんがDIYしたもの。「材料は職場で出た端材や、知り合いの建築家の倉庫整理で貰えたりするんです。なので、大掛かりなものでも材料費を抑えて作れるのでよかったです」と平塚さんがおっしゃっていました。

(平塚)「肩書きは家具職人なんですが、この家に関しては忙しいことを理由にしちゃって結構アバウトなんですよ(笑)。とりあえず勢いでやってはいるんですが、この家は1階に木材を切ったりできる土間があるのは便利ですね。今は本棚用のハシゴを作りたいなと考えています」

DIYの悩みの種の1つであげられる騒音。こちらの家では特に作業していても問題ないんだそうです。

こちらが1階の土間エリア。大家さんからはお店にしてもらっても構わないとの提案があったようで、何か活用できないかと構想中なんだとか。

キッチンの棚はもともとついていた吊り戸棚が気に入らず、見せる収納へとチェンジ。棚だけじゃなく、吊り下げバーをつけることで収納力を高めています。

キッチン横の棚は大家さんがDIYしたもので、色を塗り直してそのまま活用。現在、拡張計画が進行中とのこと。

実際に住んでみての感想も伺ってみました。

(緑川)「大家さんから聞いてはいたんですが、本当に冬寒く、夏暑い。もともと天井に付けられていた断熱材が剥がされているのでとにかく外と変わらないぐらい気温なんです。あとは遠いこと。駅まで歩くとなるとそれなりに距離があるんですが、バスが充実しているので何とか助かっています。そんな不便な所もありますが、自分らしい暮らしができることの満足感があるので、特に後悔はしてないです」

唯一区切られた個室はクローゼットに。こちらも壁はジョリパットを買って塗ったり、梁から角材を吊るしたり、棚を作ったりと手を加えられています。洋服の量が多い緑川さんも満足のいく収納力になったそうです。

最近DIYしたというオーディオ周りの収納棚。レコードプレイヤーもあるので、レコードを集めていきたいんだとか。また、棚の下には室内干しなどが出来るように木棒を設置。

テーブル周りの椅子たちは平塚さんが作ったものが並びます。折りたたみができるこのロッキングチェアのクオリティは、さすが家具職人。

こちらのフォールディングチェアも平塚さんお手製。キャンプ好きの友人に頼まれて作った奥のチェアと、よりコンパクトに持ち運べることを意識したオリジナルデザインのチェアです。

DIYもさることながら二人のお宅であちらこちらで顔を出すのがコウモリラン。こちらは平塚さんの趣味なんだとか。

(平塚)「お店で買うとそれなりの値段なんですが、ヤフーオークションやメルカリだと意外と安価で出品されていることがあるんです。あとは小さいものを買って、育てて大きくなったものもありますね。ただ、問題はコウモリランが耐寒性がないのでこの家だと育ちにくいんです。なので、今家にいる分を愛でてあげようと思っています」

こちらはこの状態で買ったのではなく、平塚さんご自身で金網を使って作った吊るし鉢。

窓際に設置されたコウモリランは窓を開けやすいようにワイヤーを設置して、高さ調節ができる仕様に。こちらは平塚さんの渾身作だと教えてもらいました。

最後に今後の暮らしについて伺いました。

(緑川)「まだ1年も経ってないですが、色々と手を加えて愛着のある家になってきたので今後も上手く付き合っていけたらいいなと思います。あとは、平塚さんの職業が家具職人ということもあって、家のあれこれを相談できるのが便利(笑)。ちょっとエリア的に遠いので申し訳ないなという気持ちもあるんですが、人が集まる部屋になってくれたら嬉しいですね」

(平塚)「先ほども話したハシゴを始め、デスクトップを置くためのテーブルとか作りたいものは沢山あるので、忙しさを理由にせずDIYしていきたいですね。やはり自分で作ったものを一回自分で使い心地を試せるというのは、自分の仕事にも活かしていけるので」
DIY可能な物件ならではの自由度を生かして、お二人が構築していく豊かな暮らし。不便なところはDIYのアイデアで即座にカバーできるのはこういった物件だからこそできること。もちろん普通の賃貸でも出来ることはありますが、より楽しみたいという方はこのDIY可能な賃貸というぜひ選択肢を候補に入れてみてはどうでしょうか。

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

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