【ワークショップレポ】お花の標本、ハーバリウムを作ろう

入居者をはじめとした様々のクリエイターが講師を務めるものづくりのワークショップが行われているIID 世田谷ものづくり学校。毎月に渡って、DIYer(s)編集部が注目するコンテンツをご紹介。今回はピックアップしたのは『Glanet & Co./ぐらこのワークショップ』が行うハーバリウム作りのワークショップです。

2022.01.11

光に透かすと一層美しさが増す「植物標本」、ハーバリウム

旧池尻中学校をリノベーションし、設立されたIID 世田谷ものづくり学校。なんとも懐かしい雰囲気の教室が、クリエイターやデザイナーのオフィス、レンタルスペースやカフェとして多くの人に使われています。
そんな世田谷ものづくり学校では、入居者をはじめとした様々のクリエイターが講師を務めるものづくりのワークショップが毎月行われているのです。今回は『Glanet & Co./ぐらこのワークショップ』に参加させていただき、ハーバリウムを作ってきました!

IID世田谷ものづくり学校とは

旧池尻中学校が『IID世田谷ものづくり学校』として再生してから、2017年度で14年目を迎えました。かつて子どもたちが学んでいた教室は現在、あらゆるジャンルのクリエイターやデザイナーがオフィスとして使っています。また、この施設ではクリエイターたちが講師を務めるワークショップや創業支援セミナーが行われており、その数は年間700件以上。IID世田谷ものづくり学校は“ものづくり”をキーワードに、クリエイティブ、地域交流、そして産業活性化のプラットフォームとして、人やモノ、情報が行き交う場を作り続けているのです。
液体の中でゆらめく、お花の透明感が涼しげなハーバリウム。咲いた花の最もきれいな瞬間を瓶詰めにし、長期間楽しめることから、最近話題を集めています。そんなお手入れいらずの美しいハーバリウムは、一体どのようにして作るのでしょうか。

教室に入ると色とりどりのお花が置いてあり、はじまる前からワクワクします。

講師を務める高橋さんが一つ一つ丁寧にレクチャーしてくれます。

今回使うのは、ドライフラワーとプリザーブドフラワーの2種類。プリザーブドフラワーとは、生花などの植物を脱水作用のある液体に漬けたのち、着色させたものです。生花と変わらない質感と色の鮮やかさが特徴。注意点としては、プリザーブドフラワーを使うと、ハーバリウムに使う透明なオイルに色がついてしまうことがあるということ。時間の経過とともに花の色自体も変わってしまうとのことですが、それもまた味があって良さそうですね。
では、早速作ってみましょう。

まずは好きなお花を選びます。ワークショップに使うドライフラワーは本来であれば先生がご自宅で作って来てくださるそうですが、今回は雨が続いたため湿度が下がらず、上手く乾燥しなかったので、市販のものを使います。なお、自宅で作る場合は手作りのドライフラワーよりも市販のものの方がオススメだそうです。

きれいに仕上げるコツは、お花の量を少なめにすること。じっくり吟味しながら選定していきましょう。

今回使う道具一式と、選んだお花です。青い紫陽花はプリザーブドフラワー、横の白いお花はドライフラワーです。

瓶の中にどう入れていくか、どんなデザインにしたいかをイメージします。組み合わせをしっかりと考えましょう。

瓶に合わせて花を切ります。

瓶の高さの8割以内にお花を収めることを目安に、お花のサイズを整えます。

先生からアドバイスをいただき、カスミソウも追加してみました。すっきり収まるよう、カットしていきます。

いよいよお花を詰めていきます。

入れる順番のコツとしては、軽い花材から入れていくことだそうです。オイルを入れるとどうしても花材が浮いてきてしまい、せっかく決めたデザインの通りに仕上げらないこともあるのだとか。なので、まずは軽くて小さいものを先に入れてしまい、長い茎や枝がついた花材を後から入れ、先に入れた花材が浮いてこないようおさえます。

ワイヤーを使い、しっかり瓶の底に詰めます。

イメージしたものに近づくよう、慎重に詰めましょう。

軽い花材を、茎が長く、しっかりとした花でおさえます。

ワイヤーで位置を微調整。ちなみに、一度入れた花材は取り出すことが難しいので要注意です!

詰め終わりです。なんとか予定通りに詰められました。

ここでパールを入れると、柔らかい光が加わってまた美しいそうです。今回は入れませんでしたが、上手にお花と組み合わせている受講者さんもいらっしゃいましたよ。

続いて、オイルを入れましょう。

紙コップのふちを少し尖らせると注ぎやすくなります。

配置が崩れないよう、瓶を傾けてゆっくり注ぎましょう。

瓶の底を机でとんとん叩き、蓋を強く閉めます。気泡はどうしても残ってしまいますが、時間が経てば徐々に消えていくそうです。

タグに自由な書き込みをして巻き付ければ、完成です!日付や使ったお花の名前、プレゼントにする人は相手の名前など、皆さん思い思いに書いていらっしゃいました。

なお、ハーバリウムは直射日光にあまり強くないので、玄関などの明るい日陰に置くことがオススメだそうです。また、使われているオイルは食用油と同じ扱いのため、捨てる際は新聞紙などに吸収させて捨てるようにしましょう。

大人気なこちらのワークショップ、全回とも満員でした。

講師を務めてくださった高橋さんは、もともと生花を中心に作品作りをされていました。しかし日々扱うお花の美しさに癒されながらも、きれいな姿が徐々に腐り、捨てられてしまうのがもったいないと感じていたのだそうです。そんなときに出会ったのが、乾き花を扱っている高橋さんの現在の師匠。それぞれの草花に合った方法で作られ、乾かされてもなお美しいその姿に魅了された高橋さんは“乾き花”を使った作品に興味を持ち、ハーバリウムを作りはじめられたのだとか。

そんな高橋さんの思うハーバリウムの一番の魅力は、光があたったときのその色の鮮やかさ。確かに、完成したハーバリウムを陽光に透かすと、生花とはまた違った美しさをたたえています。

花のある生活をしたい、だけど毎日お手入れしながら飾るとなるとハードルが高い…そんな方は、ハーバリウムからはじめてはいかがでしょうか?

INFORMATION

GLANET COLLECTION

今回のワークショップを主催しているGLANET COLLECTIONは、「東京に緑を5%増やそう」という思いから生まれたブランド。グリーンに触れたい気持ちはあるけど、観葉植物を買いに行くにもきっかけがない。そんな方のために、緑を楽しむきっかけとなるようなワークショップを毎月開催しています。また、こちらで観葉植物を購入すると“LINE植物サポート”で、いつでも育て方やメンテナンスの仕方を教えてもらえるのだそう。

URL:http://glanetcollection.com

School Data

IID世田谷ものづくり学校
住所:〒154-0001 東京都世田谷区池尻 2-4-5
電話番号:03-5481-9011
一般開館時間:11:00〜19:00
休館日:月曜日(休館日が祝日または振替休日の場合、その翌日)
URL:https://setagaya-school.net

WRITTEN BY

DIYer(s)

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