貼るタイプの魔法。「ナオスシート」でフローリングが生まれ変わる

28歳で福岡へ移住し、築40年を超える2軒の物件をセルフリノベーション。その様子をブログメディア「DIY MAGAZINE」で公開しているセーチです。次の物件で使う床材を探していたら「ナオスシート」という面白そうな製品を紹介してもらいました。簡単にフローリングを修復できるの?と不思議に思いながらサンプルを取り寄せてみました。

2023.04.23

ナオスシートって何?

「ナオスシート」は床に上貼りできるフローリングシートで、約0.2mm 厚ながらも耐久性・耐水性に優れた特殊シートです。
切って張るだけならクッションフロアと同じでは?と懐疑的な気持ちもありましたが、サンプルをフローリングの上に重ね貼りしてみると新品のフローリングにしか見えなかったので純粋に凄いなと思い使ってみる事にしました。

ナオスシートを床全体に貼ってみる

独立行政法人都市機構(UR)と共同開発した製品で、2年間の実験をもとにしっかり数字をだしているので性能は間違いなさそうです。

床の貼り替えはお金も時間もかかり敬遠しがちなので、簡単に上貼りができるクッションフロアやフロアタイルが主流で扱われています。
凹んだり傷付いたりしても、なかなか手を付けられなかった床ですが、「ナオスシート」が良ければ、床を貼替える概念が変わるなと思いました。
※現在は関東圏中心で使われていて、まだ他県には本格的に普及はしていません。

実際に6畳の部屋と廊下に「ナオスシート」を施工し、疑問点や不安に思っている点、貼った後の見た目や質感などを確かめてみます。
「ナオスシート」の厚みは0.2mmと極薄です。
なので、床が凹んだまま貼ってしまうと凹み部分が空洞になってしまい目立ちます。
よほど大きな凹みでなければ支障はありませんが、気になる場合は凹んでいる部分をパテで埋めておきます。※パテはホームセンターで売っている練った状態の物を使ってください。
そして、パテが乾いたらヤスリで整えます。
ナオスシートは溝に沿って貼るので、溝に入ったパテはヘラで取り除きます。
全体にヤスリ掛けをして、粉塵を掃除機で吸い取ったら雑巾で水拭き。
※床全体に軽くヤスリ掛けをして「ナオスシート」の貼り付きを良くしています。
「ナオスシート」クラリティアッシュ色を使います。(幅460mm、長さ5000mm)
特殊な道具を使わず、シートを貼る道具は全てホームセンターで揃えられます。(壁紙コーナーに置いてあると思います)
フローリングの幅を測り、少しズレても問題ないよう余裕を持って貼ります。
シートはフローリングの溝に合わせて貼るので、端から貼らなくても問題無いです。
ナオスシートの粘着力は強力で、壁に貼りついているシートを剥がす時は慎重に剥がさないと壁紙を破ってしまいます。ですが際際まで空気を抜いて貼らないといけないので、どうしても壁に引っ付いてしまうため、予めマスキングテープなどで保護しておくと良いです。
0.2mmと極薄なのでカットは楽です。
カットする方法はクッションフロアや壁紙と同じ要領で、地ベラとカッターを使って行います。
シートは特殊なノリで作られていて粘着力は強力ですが、何回も貼ったり剥がしたりできます。

斜めに力を加えたり裂くような扱いをすると、さすがに破けますが「ナオスシート」はオレフィンを使用しているので、よほど無理やり扱わないと破けはしません。

今回の作業では1枚も破けなかったので、普通に扱う分には心配ないと思います。
フローリングの溝に沿って爪や竹ヘラで溝を作ります。
※溝まで貼ることで、床を貼り直したように綺麗な仕上がりになります。
「ナオスシート」はオレフィンを使った特殊シートなので、爪や竹ヘラや地ベラを押し込んでも破けることはありませんでした。
使う前は、つなぎ目やフローリングの溝部分が破けたり、カット面の見た目が微妙ではないのかと心配していましたが、貼り終わってみると全然気になりません。

ナオスシートは部分補修にも使える

「ナオスシート」は部分補修にも使えます。

例えば、家のフローリングの一部分だけ傷や凹み、色あせがある場合、そのフローリングの溝に合わせてシートを貼ることで補修できます。
ここでは修復の様子が分かりやすいように、あえて床の色とははっきり違うシートを貼りますが、床の色に合わせてシートを選べば自然に修復できます。補修したいフローリング部分に貼って、フローリングの溝に沿ってカットすれば終わりです。
厚さ0.2mmなので段差があるように感じません。

部分補修であれば、こんな感じで素人でも簡単に修復できるので、自宅の気になる床やクローゼット、トイレなど、狭い場所の修繕にも使い易いと思います。
※所要時間の目安として、6畳の広さを貼るのに1日程度かかりました。

工期が短く、金額も安く、施工音がほぼしないので、マンション修繕にも使い易く不動産オーナーの方々も重宝すると思います。
溝に合わせて真っ直ぐになるよう養生テープで固定しながら貼ります。
貼り始めを真っ直ぐにするのが少し難しいですが、何度でも貼り直せるので安心です。
廊下も同じ手順で貼ってみます。
廊下はフローリング幅75mmなのですが、フローリング溝を1列飛ばしで埋めていくことによって、150mmに変更したいと思います。
ナオスシート幅は460mmなので、フローリングの溝サイズに合わせて長さ調整します。
裏面に補助線が付いているのでカットも簡単です。
※残ったシートは上がり框(かまち)に使いました。
注意点ですが、シートの厚みが0.2mmなので、小さいゴミが残っているとボコっと浮いてしまいます。
なので、見た目は綺麗でもシートを貼る前にコロコロでゴミを完全に取り除いた方が綺麗に貼れます。

床はシートで修繕できる

「ナオスシート」を貼る前の床は凹みやビス穴が残っている状態でした。
「ナオスシート」を貼った床。

シートを貼っていると言われなけば何処を修復したのか分からないレベルの仕上がりで、約1日でフローリングの質感を残しつつ、床が新品に変えられるのは良いですね。
今回使用した「ナオスシート」の作業風景を動画にしました。

【DIY】床はシートで直す時代!『ナオスシート』で床を解体せずに張り直す

階段や上がり框(かまち)にも貼れるので、修復が難しい箇所でも重宝しそうです。
床の傷や凹みや色あせが気になっているけど、床を貼り直すほどお金や時間を掛けたくないという方は、ぜひ一度「ナオスシート」を試してみてください。

WRITTEN BY

セーチ

Japan

DIYのブログ『DIY MAGAZINE』を運営。福岡在住の28歳です。物件をセルフリノベーションしていく過程とDIYに関する情報を発信しています。