造作家具とは? 置き家具との違いや特徴、メリットを解説
造作家具は、造り付け家具やオーダーメイド家具とも言われ、既製品ではなく自由に希望通りの家具を作ることができます。本記事では、造作家具の概要や作り方の種類、置き家具との違いやメリットを解説し、造作家具をオーダーする場合のポイントを3つ紹介しています。
2023.04.14
造作家具は、サイズや色、素材などを自由に選んで製作し、直接部屋に造り付ける家具のことです。オーダーメイド家具と呼ばれることもあり、高価で手が出しにくいものというイメージを持つ人もいるかもしれません。たとえ高価でもその費用に見合ったメリットがあります。本記事では、造作家具の種類や作り方、置き家具との違い、メリット、オーダーする際のコツについて解説しています。
造作家具とはオーダーメイドの造り付け家具のこと
造作家具(ぞうさくかぐ)とは、オーダーメイドで直接部屋に取り付ける家具や棚、収納のことです。素材や色、サイズなどの希望にあわせて設計・製作できるため、部屋のスペースや雰囲気にマッチした思い通りのインテリアを実現できます。そもそも「造作」とは、建築用語で建物内部の部材や設備、もしくはそれらの仕上げ工事のこと。そのため、造作家具は建物の施工時に壁や床に固定して造り付けるケースが多く見られます。
大半の家具は造作が可能
造作家具というと、造り付けの収納棚を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに収納棚を造作するケースは多いのですが、実は、ほかにもさまざまな家具の造作が可能です。例えば、TVボードやキッチンの飾り棚や本棚、TVボードやダイニングテーブル、カウンターデスクなどです。デスクやテーブルも部屋の空きスペースを利用し、サイズもデザインも自由に造り付けることができます。新築やリノベーションの際に余った木材などを使い、2段ベッドやロフトベッド、洗面台などを造り付けることも可能です。部屋のインテリアに最適な、世界にたったひとつだけの家具が作れるのも造作家具の魅力でしょう。
作り方は大きく大工工事と家具工事の2種類
造作家具の作り方には、大きく分けて「大工工事」と「家具工事」の2種類があります。大工工事は、工事現場で大工さんが材料から造作家具を作る方法です。大工さんが設置場所に材料を持ち込み、その場で製作・取り付けを行うため、サイズや色合いなどの微調整も容易にでき、急な変更や要望に対応してもらえる場合もあります。そのため、塗装やサイズ感が絶妙にマッチした造作家具を作れるのがメリットです。また、運搬にかかる費用も抑えられます。しかし、現場の設備は限られているため、複雑な構造の家具製作には限界があります。
一方、工場でオーダー通りの造作家具を作ってから、完成品を設置場所に搬入する方法が家具工事です。家具専用の設備が備わっている工場で製作するので、現場では実現できない複雑な構造の家具でも作ることができます。しかし、いざ設置してみるとサイズ感や色合いが違っていた、という可能性もあるため、設置場所で微調整ができるように製作されることもあります。また、完成した家具を運び入れるための運搬費用が別途必要です。
一方、工場でオーダー通りの造作家具を作ってから、完成品を設置場所に搬入する方法が家具工事です。家具専用の設備が備わっている工場で製作するので、現場では実現できない複雑な構造の家具でも作ることができます。しかし、いざ設置してみるとサイズ感や色合いが違っていた、という可能性もあるため、設置場所で微調整ができるように製作されることもあります。また、完成した家具を運び入れるための運搬費用が別途必要です。
造作家具と置き家具の違い
家具選びの際、部屋に直接造り付ける造作家具以外の選択肢が「置き家具」です。ここでは、置き家具の概要や造作家具との違いを解説します。
置き家具とは
置き家具とは、家具店やインテリアショップなどで販売している一般的な家具のことです。既製品と言われるものであり、色やサイズはその家具のラインナップから選ばなくてはなりません。選択肢は多いものから少ないものまでさまざまですが、部屋のインテリアや自分の好みに最適なものが見つけられれば、申し分ないでしょう。なお、置き家具の中にはサイズや色、デザインなどを豊富な種類から選んで組み合わせられるセミオーダータイプもあります。
デザイン性の違い
造作家具では、自分の好みを追求し、部屋のインテリアに調和した世界でひとつだけのデザインが実現できます。しかし、自分が想像するデザインを形にするためのオーダーは意外に難しく、そのための手間が面倒に感じてしまう方もいるかもしれません。一方、置き家具はすでに完成しているデザインから好みのものを選ぶだけなので手軽です。既製品でも種類が豊富にあるものや、セミオーダータイプにすれば部屋にマッチしたものが見つかる可能性が高くなるでしょう。
フィット性の違い
造作家具はその空間専用の家具として作られるため、サイズや色合いもその空間にしっかりフィットさせることが可能です。ちょっとした飾り棚などの小さい家具から、テーブルや本棚といった大きな家具まで、その空間にちょうどよいサイズの家具が自由自在に作れます。一方で置き家具は初めから規格が決まっているため、その空間にフィットするものを探し出す必要があります。デザインは気に入っているのに大きくて設置できない、あるいはサイズはピッタリだけど好きなカラーがないというようなケースも少なくありません。
費用面での違い
造作家具はほとんどの場合が特注です。作り手が手間暇かけてていねいに製作する家具は、既製品より値が張るのも仕方ありません。使う素材が珍しいものだったり、海外から取り寄せたりすることで材料費が高くなることも十分考えられます。また、家具の本体代金に加え取り付け費用、買い替えの場合は、古い家具の撤去費や解体費も必要です。それに比べ置き家具の場合は、本体代金のほかにかかるのは配送料や設置費用だけです。デザインや質などそれほどこだわらなければ、造作家具の半分以下の費用で済ませることも可能です。もちろん既製品の中でも高価な家具はありますが、造作家具と比較した場合、リーズナブルな場合がほとんどでしょう。
造作家具のメリット
部屋の雰囲気やスペースにあわせて設計・製作された造作家具には、さまざまなメリットがあります。代表的なメリットは以下の4点です。
希望通りの家具を手に入れられる
造作家具における最大の魅力は、サイズ・色だけでなく素材やデザインにとことんこだわった希望通りの家具を作ってもらえることです。例えば、「自分の生まれ育った土地の木材を使いたい」「日本ではあまり目にすることのない、珍しい材料を使いたい」など、既製品ではなかなか難しいこだわりも、造作家具なら叶えることができます。また、置き家具でよくある「色がもう少し薄ければ…」や「サイズがあと少し小さければピッタリだったのに」という“惜しい”感覚も、造作家具では皆無です。自分の理想をとことん追求し、こだわりぬいて作った家具が手に入ることは、普段の暮らしをよりよいものにしてくれるはずです。
統一感のあるインテリアになる
造作家具では、新築やリノベーション時に余った木材などを利用したり、同じ塗料を使ったりすることが可能です。内装に使った材料を利用することで、その部屋の雰囲気に合わせた家具を作ることができます。例えば玄関の床材と同じ素材のシューズボックス、リビングの柱や梁、扉と同じ木を使ったカップボードなど、目に入る木製のものと同じ材料で作れば、統一感のある空間になるでしょう。また、空いたスペースに自然にフィットするサイズで作れるため無駄な空間ができず、統一感があることで大きな家具を置いた場合でも圧迫感が軽減されます。近年は、奇抜でインパクトのあるインテリアデザインより、シンプル・ナチュラルなデザインが好まれる傾向です。内装にあわせて作った造作家具は、主張しすぎることなく、ほどよい存在感を醸し出せます。トータルコーディネートされた居心地のよい空間に仕上げることが可能です。
空間を無駄なく使える
家具をレイアウトする際によくあるのが、デッドスペースの発生です。置き家具の場合、家具のサイズと空間のサイズに差異があれば、微妙な隙間が生まれてしまいます。その微妙な隙間はホコリもたまりやすく掃除の手間が増えるだけでなく、見た目にもよくありません。造作家具は、空いたスペースにピッタリの家具を作れることから、空間の有効利用に適しています。例えば、キッチンのちょっとしたスペースに家事専用のワークデスクを設置する、ランドリールームの空きスペースにタオル専用の棚を作るというような有効活用のほか、置き家具では難しい壁の幅いっぱいの本棚、天井いっぱいまである高い収納も、造作家具なら可能です。空間を無駄なく活用することで収納力が格段に上がり、実際の広さより部屋が広く感じられるでしょう。また、造作家具なら生活動線や家事動線を考慮した製作も可能です。造作家具では無駄をなくし、空間を効率的に利用できます。
地震で倒れてくるリスクが少ない
地震の多い日本において、住まいの地震対策はとても重要です。意外だと思われるかもしれませんが、造作家具は地震対策としてもとても有効です。造作家具は基本的に「置く」タイプではなく、「造り付ける」タイプがほとんどです。壁や床に固定して作るため、置き家具に比べて地震で倒れてくるリスクを軽減できます。地震による家具の転倒や落下は、怪我の原因になったり避難経路を塞ぎ逃げ遅れてしまったりするだけでなく、火災などの二次災害を引き起こす要因にもなりえます。もちろん、置き家具でも転倒防止グッズなどを取り付ければリスクは軽減できますが、最初から固定してある造作家具の強度にはかないません。また、転倒防止グッズを取り付ける必要がないため、部屋のインテリア性を損ねることなく地震への対策が実現します。
造作家具をオーダーする際のコツ
造作家具をオーダーする際には、「正しいサイズを測る」「実際の店舗で完成イメージを確認しておく」「要望をしっかり伝える」という3つのポイントを押さえましょう。
正しいサイズを測るというのは、基本中の基本です。せっかく造作家具をオーダーしたのに、サイズ測定が不十分でスペースに入らなかった、あるいは無駄な空間が生じてしまった、という事態は避けなければなりません。サイズ測定に不安がある場合は、業者に依頼するのもひとつの手でしょう。
実際の店舗に出向き、で完成イメージを確認しておくことも重要です。特にインターネットで注文する場合は、実際の色味や質感が異なることがあります。素材の指定をしていればその素材と同じ家具を、色の番号が分かれば、その色番号を使った家具を見に行きましょう。実店舗があれば、オーダーした家具と近いものがあるかもしれません。色や素材のサンプルを取り寄せるのもオススメです。
最後に、要望はしっかりと伝えるということも忘れてはいけません。色味や素材、質感、デザインなどは、参考になる写真などがあると伝わりやすいでしょう。またデザイン面だけではなく、工事内容や予算、日程などの条件もはっきり伝えておくことが大切です。一方、デザイン面や使い道などで具体的な希望を伝えるのが困難な場合は、現状における生活の困りごとや、どのような空間で過ごしたいかなどを伝え、アドバイスを受けながら決めていくとよいでしょう。
正しいサイズを測るというのは、基本中の基本です。せっかく造作家具をオーダーしたのに、サイズ測定が不十分でスペースに入らなかった、あるいは無駄な空間が生じてしまった、という事態は避けなければなりません。サイズ測定に不安がある場合は、業者に依頼するのもひとつの手でしょう。
実際の店舗に出向き、で完成イメージを確認しておくことも重要です。特にインターネットで注文する場合は、実際の色味や質感が異なることがあります。素材の指定をしていればその素材と同じ家具を、色の番号が分かれば、その色番号を使った家具を見に行きましょう。実店舗があれば、オーダーした家具と近いものがあるかもしれません。色や素材のサンプルを取り寄せるのもオススメです。
最後に、要望はしっかりと伝えるということも忘れてはいけません。色味や素材、質感、デザインなどは、参考になる写真などがあると伝わりやすいでしょう。またデザイン面だけではなく、工事内容や予算、日程などの条件もはっきり伝えておくことが大切です。一方、デザイン面や使い道などで具体的な希望を伝えるのが困難な場合は、現状における生活の困りごとや、どのような空間で過ごしたいかなどを伝え、アドバイスを受けながら決めていくとよいでしょう。
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