産廃の新たな可能性を模索する「THROWBACK」プロジェクト始動!/CIRCLE of DIY Vol.31

「一度棄てられたモノを再び社会に投げ返す」。このコンセプトのもと2016年の夏より始動したTHROWBACKプロジェクト。産業廃棄物の商品化に至る経緯など、担当者の方にお話を聞きました。

2018.11.27

〜産業廃棄物から生まれ変わったTHROWBACKのアイテムの一部〜

THROWBACKのアイテムが並ぶOpen Aのシェアオフィス。この場所自体も古い物件をリノベーションしたものです。

天井の大きなシャンデリア。

光を反射しているひとつひとつのパーツは電子部品の一部。

パレットを利用したテーブル(中央)と、チェア(左下)。輸入用のコンテナは、現地に送り返すよりも送り先で廃棄することでコストがかからないため、ナカダイの工場に集められています。

小学校で使われなくなった跳び箱をも色を塗り替えるだけでガラッと印象が変わります。座面は座りやすいよう、中身を入れ替えて革を張りました。

オフィスの入口には、高速道路で使用されていた電灯が。間近で見るとかなりの大きさです。

会議室を覗いてみると、シートベルトを巻いたイスと、使われなくなった太陽光パネルのテーブルがありました。太陽光パネルのテーブルは固く安定した作りが特徴です。

電線を巻く“コイルドラム”は、テーブルに生まれ変わりました。“電気”というところに掛けて、中央にはコンセントが備え付けられています。

医療用の点滴台とパックをユニークに利用したホワイトボード用マーカー。インクの減り具合もひと目でバッチリ分かります。

アルミの打ち抜き材のテーブル。独特の模様を活かした素敵なデザインが印象的です。

小学校で使われていた小太鼓は照明に。シンプルながらも発想が面白いですね。

2017年の6月には「産廃からはじまる創造/想像(そうぞう)展」が開催されましたが、周りの反応はいかがでしたか。

(大橋さん)「全体的に好評だったと思います。“実際に購入したい”という方もいらっしゃって、僕としては嬉しかったですね。あと“子供が喜びそう”という感想もいただきました。ここの空間自体は大人なテイストですが、信号機とか子供が喜びそうなアイテムが多いからでしょうね」
(宮田さん)「間違いないですね!うちの工場では入り口に信号機が転がっていたりするのですが、見学に来た子供たちが一番先に興味を持つのが信号です(笑)」

THROWBACKが目指すところについて教えてください。

(宮田さん)「現在は、うちの工場に廃材が入ってきてから初めてデザインなどを検討していけるのですが、今後は企業様の方から“こんなものが不要になるんだけど何かできない?”といったような事前に不要になるものの情報をいただけるとスムーズな商品化につながる気がします。そんな捨てる側も参加しやすい環境をTHROWBACKを通じて作っていけるといいですね」
(大橋さん)「宮田さんがおっしゃる通り、大事なのは捨てる側の意識だと思います。現在だと出てきた産廃を会社の決まりで、完全に形がなくなるまでプレスしている会社も多いと思います。そこを改めて基準を見直していただき、その一部でもTHROWBACKで利用させてもらえると、プロジェクトとしても一気に広がりを見せられると思っています」
産業廃棄物の面白みを活かしたこのプロジェクトは始まったばかり。今後どのようなアイテムが生まれ、ただ捨てられるだけだった廃材の流れがどのように変わっていくのでしょうか。THROWBACKから目が離せません。

INFORMATION

株式会社Open A

株式会社 ナカダイ

工場見学やマテリアルの販売についてはこちら
http://monofactory.nakadai.co.jp/
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