補助金でトイレリフォームがお得に?制度の対象や内容を解説!

トイレリフォームに際して申請可能な助成金・補助金を紹介する記事です。また確定申告時に控除される、リフォーム費用についても説明しています。とくに、バリアフリー・省エネリフォームを検討中の人に有用な情報をまとめています。

2022.11.18

実は、トイレリフォーム時に申請可能な助成金・補助金制度はいくつも用意されています。加えて、リフォーム費用を税金から控除する制度も存在します。特にバリアフリーや省エネ目的のリフォームでは、そうした制度を活かしやすいです。
本記事では、助成金・補助金を受給する際の注意点、控除として申請できる工事の種類などを詳しく解説します。実際の工事の流れや工事費用の相場などにも触れているので、トイレリフォームを検討中の方はぜひ参照してください。

そもそもトイレのリフォームにかかる費用は?

トイレのリフォームを考えているなら、まずは工事費用の相場を確認しておきましょう。便器を丸ごと新しいものに取り換える場合、ウォシュレットなどの機能が付かないシンプルなタイプで5万~10万円、ウォシュレットや暖房機能が付いたタイプで15万~25万円程度です。
さらにタンクレストイレにする場合や、便器の自動洗浄、蓋の自動開閉などの高度な機能が付いたトイレに変える場合は、30万円前後はかかるでしょう。また古い便器の撤去などに、別途3万~5万円が必要です。

クロスを張り替える場合、1帖ほどの広さで2万~4万円が目安です。そのほかにも床材をフローリングに張り替える場合は1万~2万円、タイルへの張り替えは3万~6万円ほど、追加でかかります。
和式トイレを洋式トイレに取り換える場合は、段差を調整するために床や壁を解体しなくてはなりません。汲み取り式か水洗か、床がコンクリートか木製か、といった条件にもよりますが、基本的に大掛かりな工事になるため、作業費だけでも20万円は見込んでおきましょう。

このようにトイレのリフォーム費用は、工事内容によって幅があります。予算が10万円未満なら床や壁の張り替え、10万~20万円あれば便器交換、20万~50万円あれば便器交換と床や壁などの内装工事、50万円以上あれば高機能な便器への交換と内装工事ができる、と考えておくとよいでしょう。

トイレのリフォームで使える助成金・補助金

便器を交換して内装もきれいにしようとすると、数十万円という金額がかかってしまいます。しかしトイレリフォーム時も申請可能な助成金・補助金制度が用意されています。これらを活用すれば、少ない負担でリフォームできます!

介護保険

トイレリフォームに利用できる助成金・補助金制度の中で、最も申請のハードルが低いのが介護保険です。上限20万円までなら、工事費用の7~9割を補助金として受給可能です。和式から洋式便器への取り換え工事や、手すりの設置工事などについて、この補助金を申請できます。

ただし、この方法で補助金を受け取れるのは、自治体から「要支援」や「要介護」といった介護認定を受けている、介護保険の被保険者です。受給の手続きのためには、ケアマネージャーなどに相談した上で、申請用の理由書を書いてもらう必要があります。
また申請期限は定められていませんが、「工事前に申請した上で、工事後に実際の施工内容・支払い額の内訳書類などを提出する」というステップを踏んで、正式支給に至ります。なお、申請者の状況に応じ、自治体の判断で、自治体が工事会社に支給金を直接振り込む支給方法(受領委任払い)も可能なことがありますので、必要な場合は申請時に相談してください。

各自治体の助成金や補助金

各自治体が実施する、さまざまな補助金や助成金を活用する方法もあります。受け取れる金額や工事の内容は自治体によって異なりますが、介護目的や省エネ推進、子育て世帯向けのリフォームを適用対象としていることがほとんどです。
また受給のための条件として、住民税を滞納していないことや、自治体が指定する業者に工事を依頼することなどが定められています。各自治体のホームページで詳細を確認してみましょう。

リフォーム減税制度

「耐震やバリアフリー化、省エネ化などを目的とするリフォーム」を行った事実を確定申告時に明示することで、減税してもらえる制度です。所得税や固定資産税の控除が受けられるほか、10年以上の住宅ローンを利用して100万円以上のリフォームをした場合に受けられる住宅ローン減税などもあります。
こうした主な減税制度による控除金額の目安を、下記に記載しました。制度別に申請条件がそれぞれ異なっているので、詳しくは住宅リフォーム推進協議会サイト( https://www.j-reform.com/zeisei/ ) などでよく確認しましょう。

・バリアフリーリフォーム:所得税は20万~25万円、固定資産税は1年度分のうち1/3
対象例:和式から洋式便器への交換や、介助スペース確保のためにトイレの面積を広げる工事など。

・省エネリフォーム:所得税は25万~35万円、固定資産税は1年度分のうち1/3
対象例:窓の遮光性や断熱性を高める、天井や床などの断熱性を高める工事など。

・住宅ローン減税:最大10年間継続して、合計400万円まで控除
対象:耐震などのためにトイレ内外を全体的にリフォームしたり、トイレを増設したりする大規模な工事。他助成金・補助金を控除したあとも100万円以上支払う必要があり、10年以上のローンを組む場合に申請可能です。

また建物が古い場合は、耐震リフォーム費への援助として、以下のような減税制度が適用されます。具体的には、基礎や土台、壁の補強工事を行う際に活用可能です。

・投資型減税:1981年5月31日以前に建築された住宅を対象とし、リフォーム費の10%(最大25万円まで)を、1年間の所得税より控除

・固定資産税減額:1982年1月1日以前に建築された住宅の場合は、固定資産税が1年度分の税額のうち1/2控除

なお上記のような控除を受けるためには、工事を行った年の翌年中に確定申告を行う必要があります。確定申告が期間内に間に合わない場合、減税制度が適用されないことがあるため、早めに申告の準備をしておきましょう!

長期優良住宅化リフォーム推進事業

子育て世代や三世代で同居している家庭などが、住宅のさまざまな箇所に耐震・断熱工事を施す際、その費用を補助する制度です。便器の交換やトイレの増設工事などを含めて申請可能です。ただし、トイレに限定したリフォームでは申請できませんので注意してください。
事前に建物状況調査を行い、維持保全計画などを作成することで申請できます。また工事後に、「子育てや三世代同居に適した耐震・省エネ施工を行った事実」を証明することで支給されます。

支給額はリフォーム費用全体の1/3です。上限額は100万~250万円の幅があり、「三世代同居しているか」「住居がいつ建てられた建物か」などによって変動します。下記公式資料で確認してください。
https://r04.choki-reform.com/doc/manga_house_r04.pdf#page=10

こどもみらい住宅支援事業

子育て世帯や若者夫婦世帯を対象として、住宅取得・建築時や省エネリフォーム時の負担を軽減するための事業です。トイレに限った工事では申請できません。
断熱などの省エネリフォームを施す場合に、上限30万円までを基本として支給されます。ただ、子育て世帯・39歳以下の夫婦世帯では上限45万円、さらに「既存住宅を購入してリフォームを行う場合」なら60万円まで上限が引き上げられます。詳しくは下記資料をご確認ください。
https://kodomo-mirai.mlit.go.jp/assets/docs/kodomo-mirai_outline.pdf

トイレリフォームの種類について

ここからは、先述した助成金・補助金制度・減税制度の対象になるトイレリフォームについて、具体例を挙げて詳しく解説します。

バリアフリーリフォーム(介護リフォーム)

バリアフリーリフォームの典型は、手すりの設置です。狭いトイレの中でも、立ち座りや衣服の着脱などの動作をスムーズに行えるよう、適切な位置に取り付けることがポイントです。
また、トイレの出入り口に段差がある場合は、トイレの床を高くして段差を取り除きます。滑って転倒してしまうのを防ぐために、水分に強い床材を選ぶのもオススメです。またアンモニアにも強い床材なら、防臭効果も期待できます。

足腰の弱い高齢者にとって、用を足すのにしゃがまなければならない和式トイレは不便なものです。和式トイレを洋式トイレへ変更するためには、便器だけではなく床や壁を取り壊す必要があります。そのため工事は大掛かりになりますが、バリアフリーのためには欠かせないリフォームです。ぜひ上記の支援を積極的に活用してください。

省エネリフォーム

「省エネリフォーム」と呼ばれているものは、エコキュートやエネファームなど高効率給湯器の設置をはじめ、「壁や窓・外壁・屋根の断熱工事」「節水型トイレとの交換」「蓄電池や太陽光発電システムの導入」などを行うリフォームのことです。
特に、節水型の省エネトイレへ交換すれば、水道代の節約まで期待できます。ただ便器交換には排水工事が必要となり、排水方式や排水位置、また水圧によっても、設置できる便器が異なります。希望する節水型トイレが自宅に取り付けが可能かどうか、リフォーム業者とよく相談しましょう。

その時の生活に合わせた快適なトイレリフォームを

介護目的のリフォームや省エネ化に限らず、トイレの使用年数や劣化状況、自分自身や家族のライフステージにも応じて、快適に利用できるようリフォームするのが一番です。
国や自治体は、対象世帯の年齢層や状況に併せて助成金・補助金・減税制度などを用意しています。
まずは「出産を機により使いやすいトイレにしたい」「20年以上使っている古いトイレを新しくしたい」「家のリフォームに併せてトイレも最新のものにしたい」など、住宅に住み続ける中で具体的な希望が固めてください。その上で適切な制度を利用すれば、金額を抑えつつも、ライフステージに沿った機能面・快適性を実現するリフォームを施工しやすくなるでしょう。

トイレのバリアフリーリフォーム施工事例

ここからは、トイレリフォームの施工事例をご紹介します。実際にどんなリフォームが可能なのか、イメージを固めてください。

車椅子完全対応のバリアフリートイレ

SuMiKaよりバリアフリートイレのリフォーム事例をご紹介します。交通事故で下半身が麻痺し、車椅子生活を余儀なくされたことをきっかけに、家を建て替えて完全バリアフリー化。併せてトイレにも、車椅子が自由に動ける広さを確保しました。

安全性とデザイン性を両立したバリアフリーリフォーム

PanasonicリフォームClubより、安全性はもちろん、デザインにもこだわったバリアフリーリフォームの事例です。車椅子でも移動しやすいよう、狭かったトイレ内のスペースを拡大。
以前の床は滑りやすく、さらに冬場には足元が冷えました。リフォームによって明るく清潔感のある床材を導入し、こうした課題を解決しました。

木の雰囲気が温かい広々としたバリアフリートイレ

LIXILより、広々とした通路を作ったバリアフリートイレの事例です。通路幅は+90cmと余裕のある作りになっているため、将来車椅子を使うことになっても安心。解放感を演出しつつも、低い壁を設置することでプライバシーにも配慮されています。壁や天井に杉版を貼ることで、空間全体から木の温かみを感じさせる、落ち着いたトイレになりました。

【関連コンテンツ集】トイレリフォームにまつわるお役立ち情報

最後に、DIYマインドを持った大人のためのWEBメディア「DIYer(s)」から、トイレリフォームにまつわるお役立ち情報をいくつか紹介します。

オススメ記事1:トイレリフォームでオシャレに!デザインのポイントと真似したい事例

オススメ記事2:【快適暮らしの入門編】トイレ手すりの位置や高さはどこが最適?失敗しない取付ガイド

オススメ記事3:値段が気になる…!トイレの換気扇・交換リフォーム工事費用の目安は?

オススメ記事4:【DIY】トイレのドアノブ交換方法を徹底解説!DIYでも簡単にできる!

オススメ記事5:トイレレバーの交換や修理は自分でできる?レバーの交換方法と目安の費用

まとめ

トイレは一年中毎日使うものです。その分、快適さや機能面になるべく妥協せずにリフォームしたいところでしょう。本記事で紹介した助成金・補助金・減税制度を適切に活用し、金銭的負担を抑えることで、自分や家族の希望にフィットするリフォームを実現してください。また、細かい部分や電気工事が不要な箇所については、DIYで対処すれば費用を抑えられるでしょう。本記事の後半で紹介した別記事も参照しつつ、挑戦できる箇所を探してみてください。

企業オフィスのリフォームでも実績豊富なカシワバラ・コーポレーションは、トイレのリフォームにも対応しています。モダンで機能的なスタイルや、ナチュラルで暖かみのあるスタイルなど、さまざまなデザインを提案してくれるため、希望にフィットしたリフォームを実現できます。トイレリフォームをしたいけれど、具体的にどんなデザインにするか迷っている方も、お気軽にご連絡ください。

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DIYer(s)

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