理想的なI型キッチンのレイアウトは?使いやすいキッチンの作り方を紹介!

馴染みがあるのにあまり知られていないI型キッチンの種類とレイアウトの例、家事がしやすい動線設計についてお伝えします。 あわせてキッチンのリフォームに役立つ、使いやすいキッチンを作る方法と人気メーカーのI型キッチンのモデルもご紹介します。

2022.01.07

加熱機器とシンク、調理スペースを横に並べたシンプルなI型キッチンは多くの家庭で使われていますが、レイアウトによってキッチンの感じが随分と変わります。
今回はお馴染みのI型キッチンの魅力をお伝えするために、その種類とレイアウトのパターン、家事がしやすくなる動線の設計などについて解説します。
自宅のキッチンリフォームに役立つように、使いやすいキッチンを作るための具体的なコツと、人気メーカーのI型キッチンモデルも一緒にご紹介します。

意外と知らない!I型キッチンの種類とレイアウト

ガスコンロやIHヒーターなどの加熱機器とシンクを横一本の棒状に配置したI型キッチン。サイズをコンパクトにできるので、リビングやダイニングの空間を広く使うことが可能です。
ほかのキッチンタイプと比べて構造がシンプルで、使う材料も少なく、価格も安くなるのでリフォームでも人気があります。
さまざまな種類でレイアウトの幅を広げ、キッチンの雰囲気をガラリと変えてくれるのも魅力です。I型キッチンで叶う4つのタイプのレイアウトをご紹介しましょう。

1.広いLDKが魅力の壁付けキッチン

キッチンスペースの壁に取り付けたタイプで、壁に向かって炊事をするのが特徴です。
調理をする時に手元が見られず、シンプルな形で機能を充実させられるので使い勝手がよくなります。キッチン正面の壁は耐火性の高いタイルや、水はねや油汚れを防ぐためのパネルがよく使用され、掃除がしやすくなっています。
間取りによっては壁に窓が付いているケースがあり、その場合は調理中の換気がしやすいので便利です。また、自然の光が差し込むのでキッチン自体が明るく、開放的な印象も受けます。
キッチンが独立していないLDKタイプの間取りであれば、ダイニングやリビングを広く使えるのもメリットです。壁の色やデザインをキッチンとコーディネートしたり、調理道具の配置にこだわったりして見せる収納を楽しむこともできます。

2.家族との会話を楽しめる対面式キッチン

リビング側を向いて炊事をする対面式キッチンは、作業をしながらリビング全体を見渡せるのが特徴です。
リビング側からは調理をしている人の顔や上半身が見えるので、家族とコミュニケーションが取りやすく、最近のシステムキッチンでは対面式が流行しています。
タイプは吊戸棚があるパターンとないパターンの2つです。吊戸棚があるタイプは棚部分とシンクやコンロがある部分を壁が覆い隠し、リビング全体がすっきり片付いて見えます。
棚があることで収納力がアップし、カウンターを設置することで料理の配膳や食器も片付けやすくなります。吊戸棚がないタイプは視界が広くなるので、開放的な印象があり、リビングとの一体感も高まるのがメリットです。ただし、収納スペースはその分少なくなります。

3.快適動線が叶うアイランド風キッチン

アイランドキッチンとは、島のようにレイアウトされたキッチンのことです。
壁と接しておらず、キッチンの周りを自由に回れるのが特徴で、家族や友人など複数人で一緒に調理ができます。
I型キッチンでは水はねや油汚れを防ぐために最小限の壁が覆うアイランド風キッチンとなります。コンロの前だけ透明な耐熱ガラスを設置するなど工夫すれば、視界を遮ることはありません。換気扇はコンロの真上の天井に設置すればOKです。
一般的な対面式のように壁で隠す部分がなく、キッチンの周りを自由に回れるので調理を通じてよりコミュニケーションを取りやすくなります。

4.開放感が魅力のペニンシュラ型キッチン

ペニンシュラキッチンとは半島のようにキッチンの片側が壁に取り付けられたタイプで、吊戸棚やコンロ前の壁がない対面式キッチンです。
コンロの横に壁があることが多いので、アイランドキッチンとは異なり、壁に設置する換気扇の種類が選べるメリットがあります。
また、壁際にコンロがあるので油はねなどの心配も少なく、アイランドキッチンのような開放感のあるLDKと作業スペースの広さが魅力です。

I型キッチンにオススメの便利な動線

家事の中で主婦が一番長い時間を過ごすのがキッチンです。
それだけに新築のキッチン周りは失敗を避けたいですし、リフォームで不便なキッチンを使いやすくしたい気持ちも強くなります。
住宅産業協議会が行ったシステムキッチンの購入者へのアンケート調査によると、満足度の高いポイントはカウンターの高さ、収納や扉のデザイン、レイアウトや動線の順でした。
つまりキッチンのタイプや機能だけでなく、利用する人の身体に合った、作業しやすいキッチンであることが重要だと分かります。作業のしやすさに大きく影響するのがキッチンの動線です。
キッチンでの作業の流れを考えると、冷蔵庫から食材を取り出し、シンクで洗って刻み、コンロで加熱料理し、配膳になります。
この冷蔵庫とシンク、コンロを行き来する動線はキッチンワークトライアングルと呼ばれ、作業しやすい距離が割り出されています。冷蔵庫とシンクは120~210cm、シンクとコンロは120~180cm、コンロと冷蔵庫は120~270cmで、それぞれ2~3歩の距離です。
そしてトライアングルの三辺の合計510cmが使いやすい目安とされます。ただ、I型キッチンの場合は510cmでは移動距離が長くなり、却って作業がしづらくなるので、最大でも270cm程度と考えてください。
さらに作業の順番に沿って冷蔵庫の横にシンク、その隣にコンロを配置するようにレイアウトすると、作業効率がアップします。

(参照元:http://www.hia-net.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2016/08/26cs_setsubi.pdf

使いやすいキッチンを作る方法は?

一般的に使いやすいキッチンを作るには「機能面」と「心理面」の2つの観点から考えてみましょう。
機能面で考えるべきことは、使い勝手のよい収納にすることです。
心理的な側面からは、毎日気持ちよく使えるような見た目を重視するとよいでしょう。なるべく生活感を消すとストレスが軽くなり、オシャレな雰囲気にすれば家事のモチベーションがアップします。続いては、使いやすいキッチンを作るための具体的な方法をそれぞれご紹介します。

収納スペースの確保で日々のお料理を効率化!

収納スペースの確保は、機能面からも心理面からも非常に有効な方法です。
モノの移動を最小限にすることと収納スペースの使いやすさを意識するのがポイントです。具体的にはよく使うモノは目から腰の高さに置き、使う場所に近づけます。収納場所を決めたらしっかり守り、調理台はスペースを確保するためモノを置かないようにしましょう。
限られた収納スペースはラックや仕切りを入れ、使いやすく整理するとよいでしょう。

具体的な収納手順5つ

1 週に1度や月に1度など利用頻度で使うモノを分ける
2 1年以上使わないモノは捨てるか、キッチン以外の場所に収納する 
3 それほど使わないモノは収納場所の奥に置く
4 普段使うモノは引き出しの上段など手の届きやすい場所に収納する
5 収納内をカゴやラックで仕切り、よく使うモノは手前に配置する

生活感を払拭してスタイリッシュに

続いては、生活感を上手に隠し、明るくオシャレなキッチンにするポイントをご紹介します。
まず、キッチンにモノをなるべく置かず、観葉植物などの好きなモノだけを置くことです。全体がスッキリした印象に近づきます。
つぎに、勝手口や扉のない棚などはカーテンで隠すこともスタイリッシュさを向上させるポイントです。お部屋の雑多な印象が薄れます。
また、生活家電にクロスをかけたり、塗料などでリメイクしたりすることです。一手間加えるだけで統一感が出て、高級ブランドのように見せることができるでしょう。
洗剤のディスペンサーやゴミ箱も一手間加えてリメイクしておけば、生活感を払拭しスタイリッシュな印象を与えられます。
以上のようなキッチン周りのリメイクは、カフェなどのキッチンディスプレイを参考にして実践してもよいでしょう。

人気メーカーのI型キッチンをチェック!

続いては、人気メーカーのI型キッチンをいくつかご紹介します。デザインや機能など、それぞれに個性的な特徴と魅力があります。

LIXILのI型キッチン「リシェルSI」

セラミックを使用したキッチン台は、高熱のフライパンや鍋を置いても変形や変色が起こりにくく、硬いモノが当たってもキズがほとんど付きません。汚れが付きにくく、拭き取りだけでお手入れ可能です。
シンクも硬く摩耗しづらいハイブリッドクォーツを使用。汚れやゴミが素早く排水口に流れる方式でシンクのお手入れも楽です。
2段レーンと2種類のプレートで調理と後片付けの効率がアップし、水栓もセンサーで反応するので利便性にもすぐれています。調理する人の動線に合わせ、取り出しやすい収納はたっぷりしたスペースがあります。

PanasonicのI型キッチン「リビングステーション L-Class」

有機ガラス系素材で天然石のような高級感のあるカウンターは汚れがつきにくく、油汚れを毎回自動でお掃除してくれるレンジフードもお掃除が楽になります。
3方向から使えるラウンド型のシンクはコンパクトサイズの奥行を広げます。タッチレスの水栓でキッチン側からもダイニング側からも使えるので、無駄な動きが減り作業効率も向上します。
向かい合って料理ができるマルチワイドIHは、鍋を置く位置や形も自由で最大4つの鍋を同時に加熱・保温が可能です。料理のレパートリーが広がり、家族で食卓を囲む楽しみが増えることでしょう。

TOTOのI型キッチン「ザ・クラッソ」

透明感のあるクリスタルカウンターは丈夫で掃除がしやすく、レンジフードはフィルターを使っていないので、サッとひと拭きするだけでお手入れできます。
水栓はタッチスイッチで汚れにくく、除菌水が使用できるのでまな板や包丁、ふきんなどをいつでも清潔に保てます。
シンクで予備洗いした食器はカゴごと食器洗い乾燥機へ。収納物に合わせて奥行を調整できるキャビネットや、二重構造で連動式の内引き出し、カウンターを利用した収納スペースなど限られたスペースを有効に活用しています。

クリナップのI型キッチン「ステディア」

種類が選べるセラミックのキッチン台、扉や取っ手のコレクション、収納棚の内側もコーディネート可能で自由にカスタマイズできます。
換気扇のファンとフィルターを自動洗浄するレンジフード、水の流れを計算したシンクでお手入れや作業を楽にしてくれます。
大容量のスライド収納で引き出しの奥のモノも簡単に取り出せ、引き出し内のポケットやボックスで場所を取らない立体収納が可能。使わない時はキャビネットに収納できる吊戸棚も特徴的なアイデアです。

トクラスのI型キッチン「Bb」

人造大理石を使ったオリジナルカウンターは熱やキズに強く、お手入れは水拭きだけでOK。レンジフードのコンパクトフィルターは片手で外して食洗機でも洗えます。
シンク下の収納スペースは使いやすいモノから上段、中段、フロアスライドと自分流にアレンジして収納可能です。
キッチンの色はリビングに合わせやすい単色系や木目調など多彩な素材やカラーが揃っており、扉は33色、カウンター3色、シンク7色あるので、思うままにコーディネートできます。

I型キッチンは種類やレイアウトのパターンがさまざまで、お部屋の雰囲気に合わせたり、逆に特別な空間にしたりすることも可能です。
キッチンが生まれ変われば、気分も上がります。美しい仕上がりにするには経験豊富なリフォームのプロへの依頼も検討してみましょう。

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DIYer(s)

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