金属を塗装!? 驚きの塗料でペン立てを作る

公開日 2016.08.25

更新日 2022.01.07

金属を塗装!? 驚きの塗料でペン立てを作る

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金属を塗るという試み

タイトルを読んで“?”が頭の中で駆け巡った人も多いかと思いますが、実際にそんな塗料があるんです。その名は「Felight(フェライト)」。DIY大国でもあるドイツで生まれたこの塗料はドイツVeroMetal社の金属粉末によるコーティング技術。木材をはじめ、ガラスや陶磁器、プラスチックなどさまざまな素材を金属でコーティングすることが可能で、さらにその特性までを受け継がせることができるというから“金属を塗る”と言っても過言ではないのです。

ただ言葉だけではイメージできない…ということでVeroMetal Japan社の協力のもと、実際にFelightの「D.I.Y. KIT」を使って塗装体験してきました。

まずはキットのご紹介から。

 

今回使用したのがこちら。左上から右回りで錫、銅、鉄、青銅、真鍮。

各¥3,500+TAX

 

内容は調合カップ、スチールウール、スポンジ、かき混ぜ棒、A材(バインダー)、B材(金属パウダー)、C剤(硬化剤)。1箱に100g入りで塗り面積は目安としてA4サイズ1枚程度。

 

続いて実際に塗ったモノのビフォー画像がこちら。

 

左上から時計回りでガラスビン、プラスチックグラス、木製のペン立て、木製のアルファベットオブジェ、iPhoneのソフトケース、木製のトレー、コルクボード。

 

作業に入る前に下準備。まず表面がツルツルの素材は、ザラザラになるまでサンドペーパーで磨き、塗料が密着するようにします。磨いた時に出た粉と表面の油分を脱脂剤で拭き取ります。

 

 

表面のツルツル感を残したい場合や、液体を吸収しやすい素材の場合は塗膜系のプライマー処理をして、素材に塗料がのるようにします。

 

 

この作業によって仕上がりの美しさが大きく変わってくるので、丁寧に行ってください。

そしてついに“塗る金属”の調合のスタート。まず調合カップにB材(金属パウダー)を入れ、粉が舞わないように気をつけながら、A材(バインダー)を加えます。

 

 

その2材を、ダマが残らないように3分ほど、かき混ぜ棒で混ぜ合わせます。

 

 

次にC剤を入れ、再び混ぜ合わせたら調合は終了です。

 

 

塗料の準備が整ったら、付属のスポンジやハケ、ローラーなどを使って塗りたいモノにのせていきます。塗厚は薄いと割れの原因になるので、1mm程度は確保。また、あえてムラをつけたり、凸凹にさせたりすることで表情がまた違ってくるので、自分なりの方法を試してみてください。

 

錫×プラスチックグラス

銅×ガラスビン&プラスチックカップ

真鍮×iPhoneのソフトケース

鉄×アルファベットオブジェ&コルクボード

青銅×ペン立て&トレー

マスキングテープの上に塗料がのっている場合はテープごと塗料が剥がれる恐れがあるので、塗料が固まる前に剥がしてください。もし、その心配がなく、このあとの磨きの作業で傷つけたくない、汚したくない場合は塗料が完全に乾かして、磨く前に再度マスキングしてください。

 

塗りの作業が完了したら乾燥に入ります。20℃以上で24時間以上乾燥させてください。撮影の際は取材用ということで硬化剤を多めに入れて乾燥を早めました。

そして最終工程である“磨き”へ。付属のスチールウールを使ってひたすら磨きます。

 

 

はじめはマットな質感だったのに磨けば磨くほど光沢感が増していくのが楽しいんです。

そしてこのキットのさらなる面白みが、応用編のエイジング。その方法もレクチャーしていただき、体験してきました。

 

 

銅は酸化液をかけて、細かいサンドペーパーで軽く擦ります。そして酸化を止めるためにポリシールドなどの塗膜保護剤を塗り込んで磨きあげます。身近なモノだと車用のワックスでも大丈夫です。

 

その仕上がりがコチラ。深海から拾ってきたような独特な雰囲気を放っています。

 

続いて鉄の場合。

 

 

酸性の液体をかけてしばらく時間を放置します。狙った赤錆感がでてきたら、銅と同じく塗膜保護剤を塗り込んで磨きます。

 

見事な錆感が生まれ、アンティーク感が一気に増しました。

 

塗料とはいえ本物の“金属”なので、一般的な金属と同様に経年美化(エイジング)が起こります。そのエイジングは市販の希塩酸やサンポール、パイプフィニッシュ、しょうゆ、ソース、ドレッシング類などで手軽に楽しめます。ただ入手や使用効果は自己責任でお願いします。

そして鉄の流れでいうと、もちろん磁石が反応してくっつくんです。特性を受け継ぐという機能性を目の当たりにすることできました。ちなみに体験した筆者の指にも磁石がくっつきました。

 

見事にコルクボードの汎用性を広げてくれました。

 

そして、最終的な仕上がりはこんな感じ。

 

錫で塗ったプラスチックグラスは作ったモノの中でも1番輝きを放ち、高級感がグッとアップ。銅で仕上げたガラス瓶とプラスチックカップは凸凹感が生き、渋い雰囲気に。iPhoneケースの真鍮は塗りの厚みによって陰影が生まれ、金属なのに柔らかみも感じさせる不思議な雰囲気に。アルファベットオブジェとコルクボードは鉄を塗ったのでやはり重厚で無骨な雰囲気に仕上がりました。最後に青銅のトレーとペン立ては銅と真鍮の間のような光沢感と深みを持ち合わせた大人顏な色合いに。

 

以上、Felightの体験記はいかがでしたでしょうか。

所用時間としてこれだけの量を作ったので約6時間(※乾燥を早めた場合)。長く感じる人もいるかもしれませんがただ色を塗るのとは違い、金属を塗っているという感覚は新鮮味とワクワク感しかなくてあっという間。個数を減らすことで時間は短縮できます。また、塗るモノをはじめ、塗り方、磨き加減、エイジングなど、正解はありませんというか全てが正解! 自分次第で無限に楽しめるのは、この塗料ならではだなと感じました。筆者としてもぜひともオススメしたいですね。

 

ちなみに今回挑戦したiPhoneケースは割れてしまうことが多いようで、iPhoneをしっかりと装着できた時は担当者の方々も驚いていました。とくにiPhone6の場合、形状が丸みを帯びてるので硬質プラスチックのハードケースだと装着の際に押し込みながら入れてしまうと割れるそう。しかし今回はシリコンカバーにしたことにより、凝固した際でも多少の曲げにも対応してくれたようです。そういった驚きもこの塗料の魅了ですね。

 

こちらも作品なんですが、見た目は重厚なボルトだけど実際は木なんです。液体なので細部まで塗り込め、曲面や球面にもつなぎ目なくキレイにコーティングができる。さらに常温乾燥なので熱に弱い素材にも対応可能。鉄を塗っているので磁石もくっつき、素材は木なので軽い。Felightだからこそ、こんなことまでもできるんです。

 

そして今回この画期的な塗料をVeroMetal Japan社から読者の皆さまにプレゼント!!!

各色を各1名様に抽選のうえプレゼントしますので下記事項のチェックをお忘れなく。

※プレゼントのご応募の受付は終了いたしました。

応募方法

件名に「Felightプレゼント」とご記入いただき、本文に、

 1.発送先住所

2.氏名

3.電話番号

4.ご希望のカラー(錫・銅・鉄・青銅・真鍮)

5. DIYer(s)へのご意見・ご感想

をご記入の上、info@diyers.co.jp​ までメールをお送りください。

応募締め切り:2016年8月31日(水)

お待ちしております!

※個人情報の取り扱いについて、詳細はこちらをご覧いただき、ご同意の上ご応募ください。

 

INFORMATION

Felight

URL:http://felight.jp

資材提供

Flying Tiger Copenhagen(フライング タイガー コペンハーゲン)

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