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WATOWA INC.、ヒトを繋いで“モノ・コト”を創造する/CIRCLE of DIY Vol.09

編集部が注目するDIYerにインタビューを行う本連載のvol.09。今回は国内外のファッションイベントやプロジェクトのブランディングなどのディレクションを数多く手掛けるWATOWA INC.代表の小松隆宏さんにフィーチャー。モノ・コトだけでなく、空間も作り上げる同氏の活動に迫ります。

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港区青山という都内の中心部に構えるWATOWA INC.。その場所はオフィスという空間だけにとどまらず『elephant STUDIO』という名を掲げ、3階建てのビル1棟全体を使い、ファッション・アート・デザイン・音楽・食など多彩な要素が融合するコンセプチュアルスペースとして門戸を開いています。今回、その1Fにあるカフェ『CAFÉ and MACROBI』にてお話を伺ってきました。

 

—まずは簡単に自己紹介をお願いしてもいいですか?

「ファッションショーやイベントの演出家として活動しています。また、僕が代表を務めるWATOWAの社名は、“輪と輪”を繋げることを意味しています。コミュニティーとコミュニティー、コミュニティーとビジネス、ビジネスとクリエイターなど、新たな繋がりで新しい価値観を生み出すことを目的しているクリエイティブカンパニーです。この会社のプロデューサーとして、企業のブランディングや商品の価値を高める仕事をしています。プロモーションする時の見せ方を考えたり、イベントのディレクションをやったり」

 

 

—新しい体験を創り、それを通してブランドやモノの魅力を伝えるお仕事ですよね。

 

「やはり、上手く伝わらないと購買や価値を高めることに繋がらないんですよ。いいモノならちゃんと波及させたいし、購買意欲をそそらせたい。そこで大事なのが、情報伝達。1つの情報をライブで見せるショーの演出や、その光景をメディアに発信してもらうPR力だったり。僕が学生時代に出会った、師匠にあたるファッションショーの演出家がやっていて、魅力に感じたんです。結局のところ、いいモノを作るのと同じくらい、どう伝えていくのかがすごく重要。例えばCMをたくさん流せばいいわけでもなく、伝えるべき人に伝えるのが大事。そしてそこにフォロワーがついていく状況を作れて、初めてブランドになっていく。そのために、イベントだったらこうしよう、ウェブだったらこうしよう、映像だったらこうしよう、っていうコミュニケーションをデザインするのが僕の仕事です。元々はイベントの仕事だけをやっていたけど、今はモノ・コト創りの目線で、ブランド作り全体のお手伝いをしているんです」

 

—最近の小松さんのお仕事について教えてください。

 

「11月に大阪の【御堂筋ランウェイ】と、ラフォーレ原宿で行われた【VINTAGE FASHION MARTKET】に携わりました。御堂筋ランウェイは、大阪府と大阪市の主催事業です。御堂筋を1kmぐらい封鎖して、今年は“ファッションサーカス”のようなことをしました。400mのランウェイで、 “ファッションと洗練された大人の街”をイメージ。あとはオリンピックのインバウンド誘致のために、400m走のアスリートを呼んで走ってもらったりも。プロデュースは吉本興業さんが入っていて、そこのプロデューサーが元々TGC(東京ガールズコレクション)を立ち上げたチーフプロデューサー永谷亜矢子さん。演出面で協力してくれないかってことで声をかけてもらいました。あと僕の師匠にあたるDRUMUCANの田村孝司さんが総合監修で入るという座組みでしたね」

 

 

—【VINTAGE FASHION MARKET】はどういう関わり方だったんですか?

 

「演出と制作を担当させてもらいました。主催は株式会社ストライプインターナショナル、プロデューサーはglimoire 代表の十倍さん。“古着を通して新たな価値を提案するヴィンテージの祭典”といった内容で、老舗ヴィンテージショップから新進気鋭のショップまで約30店舗のヴィンテージショップが集結するといった感じ。店舗以外にもヴィンテージ好きのデザイナーやモデルなど、総勢50人による私物フリーマーケットやパーティータイムのDJパフォーマンスなど、2日間ともに盛り上がりました」

 

 

—突然ですが、小松さんにとってのDIYのイメージは?

「基本的には日曜大工のイメージが先行していました。感覚では、写真をただ印刷して飾るんじゃなくて、パネルやアクリルなど別の素材に貼ったり、コラージュしたりと、一手間も二手間もかけることがDIY。言葉としては『Do it yourself=自分でやる』ってことだから、普段僕がやっていることは全部、DIYだと思うんです」

 

—ご自身ではモノ作りをされたりしますか?

「京都芸術短期大学のファッションデザイン科に通っていたので、服は作っていたし、グラフィックに興味もあったのでグラフィックデザインもしていました。上京してからもファッション小物などを作って販売したり。実はその時から活動の名前はWATOWA。着物の端切れを小銭入れにしたり、財布やベルトを作ったり、和のブランドとして活動していました。あと、和太鼓演奏者の衣装デザインなんかも受けていましたね」

 

 

—そのモノ作りから、現在の動きへと変化したきっかけは?

「単純にもっとビジネスの幅を広げ、色々なことに関わっていきたいと思ったんです。そんな時に紹介してもらったのが師匠である田村さん。彼の仕事のお手伝いをさせて頂いたんですが、これがまた楽しくて。それで、即シフトチェンジ。ただ、グラフィックの仕事も続けていました。やっぱりモノを作ることは好きだし、作っている人も好きなんですよね」

 

—小松さんの中で最近、DIYに通じるような経験はありましたか?

 

「このビル自体、ですね。元々は3・4階をうちの会社と『遊放浪』というキャンプ場運営や、太陽と星空のサーカスというフェスをやっている友人の会社で借りていたんですが、1・2階も空いたので丸ごと借りてしまおうという話になったんです。改装を行い、1Fは昼間がカフェで夜はバー、2Fはギャラリーにしました。もちろんプランニングした後で、インテリアデザイナーや建築家の人にも入ってもらったんですが、インテリアや装飾、ディスプレイなどできることは自分たちでやった。“みんなで雰囲気を作っていく”、“作り変える”的な意味でいえば、この一棟をまさにDIYしている最中です」

 

ウッド調のエントランス。

3Fのオフィススペース。

 

—ビル一棟というのは面白いですね。今現在は、どんな場所になっていますか?

 

「コミュニティーの1つのプラットホームになってきたように感じます。『WATOWA』はベースがファッション、『遊放浪』はフェスや音楽業界、メインはこの2社で運営しています。なので自然とそのジャンルの人たちが集まってくるんです。打ち合わせしていて、その時たまたま上の階に別メンバーがいたりすると紹介して、そこで新しい仕事が生まれたりする。友達を集めてパーティーをやったり、2階のギャラリーで展示をやったりすると、来た人同士、新たな出会いがあるんです。そうやって人と人の繋がりがこの場所で生まれているんですよ。『今度紹介するね』って、お互いのスケジュールを確認して場を設けてとなるので大変。でも“ココ”だと打ち合わせ中でもぱっとその場で紹介できる。ビジネスとプライベートの両方でコミュニティーが生まれています」

 

2FのES galleryでは線香の微かな火を使用して、絵を仕立てる"線香画"と呼ばれる、独特な技法で注目を集める彼の3年ぶりとなる個展を開催。市川考典『grace note』1/13(金)~2/3(金)、12:00~20:00(会期中、入場無料)

 

—1Fは昼がカフェで、夜がバーですね。その経緯は?

 

「それぞれ運営元が違うんです。昼は『Café and Maccrobi』という名の通り、マクロビのカフェでオーガニックなモノを提供。夜はうちと『遊放浪』の2社がオーナーとなって『BAR天竺』というバーをやっていて、プロデューサーは『mister hollywood/n.hoolywood』の立ち上げメンバーの一人で、『Youth Records』の庄司信也さん。庄司さんは『遊放浪』の社長中村さんと『1994 Co.,Ltd』というクリエイター&アーチストマネージメントの会社を共同経営しています。その縁と以前バーをやっていた経験もあったので、プロデュースをお願いする話になりました。それで『1994 Co.,Ltd』がマネージメントしているGOING UNDER GROUNDの松本素生さんが「曲の制作に役立つかもしれないから、俺がやる」って店長を引き受けてくれて、それが本当に、最近リリースされたアルバム制作に繋がったんです」

 

Café and Maccrobiのおすすめメニュー、米粉のブラウニー(¥350)と自家製ジンジャエール(¥600)。

 

—まさに輪と輪が新しいものを生み出す場になっているんですね。

 

「そうですね。そういう流れができていて、働いている人たちもけっこう面白い人が多い。アーティストだったり、劇団員だったりとか、繋がりが繋がりを呼んでお客さんも来るし、彼ら自身にも仕事が生まれるし、僕も新しい出会いを得ました。やっぱりこのビルを借りてから、会社としても、僕自身としても圧倒的に活性化した。WATOWAができている一つの理由として、このビルのおかげですね」

 

BAR天竺のおすすめメニュー、ベーコンエッグ(¥600)と下町ハイボール(¥600)。

 

—今後の展望を教えてください。

 

「このビルが“面白いことやっているモニュメント化”して、周りが盛り上がってくれたらいいなと思っているんです。新しい事を取り組む際、前例があると安心しませんか?「あそこがあんなことやっているなら、うちでもやってみよう」的な。簡単にはうまくいかないけど、コミュニケーションを仕事にしているからには、そんなバカみたいなことをやっていきたい。DIYも一緒だと思うんです。誰かが作ったモノを見て、『これだったら私にもできるかも』と挑戦する。今は前例を見られるサービスが充実していて、最初に作った人は発信力を持てますよね。それがバカっぽいことでも、認められたら一種の“jackass”(アメリカMTVにて放送されたテレビ番組)みたいなもん(笑)。仕事でも、ただオシャレとかキレイっていうんじゃなく、そこに楽しさや、やってみたいって欲望が湧くものに仕上げたいな、といつも思っています」

 

—幅広いジャンルの仕事を手掛ける小松さんですが、仮にDIYer(s)をテーマとした時、どんなアイデアが浮かびますか?

 

「DIYクリエイターの派遣とか面白くないですか?最近はUBER(配車サービス)も認知されてきたけど、モノだけの流通が多いから。うちの会社は“THE GIFTER”というプロジェクトを運営していて、アーティストに作ってもらう世界にたった一つだけのオーダーメイド作品を贈り物にしようという提案です。例えば、自分の伝えたいメッセージがアートになったり、その人の写真がアートになったりと、“特別なモノ”を作る。自分ではアートは買わないけど、贈り物ならうれしいですよね?その体験から始めて、“アートを持つこと”の豊かさを身近に感じでもらいたいなと思ったんです。『この間はあんなの作ってもらったけど、次はこんなの作れますか?』って相談がくるのがいい流れだなと。のちに、アーティストの作品を自分の価値観で買うのが当たり前になったらいいですね。一方で、“DIYers”と“THE GIFTER”で、アートのDIYキットを買えるECサービスを作ってもおもしろそうですね。ツリーハウスをDIYできるキットを開発するとか、飛び抜けた商品があっても面白い。他のメディアにもネタにしてもらって、お互いに認知度を上げていくPR。そうやってイメージを作っていけば、きっと他のところでも買えるけど、ここで買うのがオシャレって思ってもらえると思いますね」

 

『俵藤 ひでと - (Delivery Works)』

『Funny Dress-up Lab - (ファニー・ドレスアップ・ラボ)』

 

—モノを売るんじゃなくて、機会を売る、という発想は面白いですね。ぜひ今後も色々と相談させてほしいです。やはり小松さんの強みは圧倒的な人脈と、そこから生まれるアイデアだと思います。

 

「人の繋がりが全て。この人の能力とこの人の能力を繋いで形を変えて、新しいモノを生み出すのが好きなんだと思います。知識ばかりだとそうはいかないかもしれないけど、実際にそうやって仕事しているからこそ、生まれてくるんだと思います」

 

 

以上、これまでとはちょっと視点を変えて、0から空間や体験を生み出す、というモノ作りの形に注目しました。今、新しいものを生み出したい、と思っている方は、『Café and Maccrobi』と『BAR天竺』を訪れてみてはいかがでしょうか?もしかしたら自分の仕事やプライベートに大きな変化を与える人と出会えるかもしれませんよ。

 

PROFILE

 

小松隆宏

 

WATOWA INC.代表

ブランディング・プロデューサー、クリエイター・コミュニケーター

『WAtoWA=「輪」と「輪」を、「輪」から「輪」へクリエイティブする』を軸に、企業のブランディングや クリエイティブPRの企画を開発するプロデューサー。 ファッションショーやイベントの演出家として東京・パリ・アジアを中心に国内外で活動する。

チームラボが生み出した新しい感覚のミュージックフェス。【Music Festival teamlab jungle】の演出サポートや、4トンの豆を巻きまくるイベント「すごい豆まき」を主催、「二子玉川ビエンナーレ」街プロジェクトなど、新しい形の「おまつり」実行委員会のメンバーとしても運営に参画している。

 

【STUDIO  INFORMATION】

elephant studio

住所:東京都渋谷区2-7-4

URL:http://elephant.tokyo/

 

2F ES gallery

 

1F Café and Macrobi

営業時間:8:00〜18:00(平日)、11:00〜18:00(土日祝)

定休日:不定休

電話番号:03-6805-1946

 

1F BAR 天竺

営業時間:19:00〜24:00(月〜土)

定休日:日曜日

電話番号:03-6805-0315

 

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