DIYer(s)が作るショップディスプレイ~巨大フェンスをエイジング!~

DIYer(s)に舞い込んだ、アパレルショップのディスプレイプロデュースの依頼。クライアントからの要望は、「既製品では表現できないエイジングが施されたディスプレイ」。そこで、リメイク塗装作家の中守生和さんディレクションのもと、巨大フェンスをエイジングしました!

公開日 2016.10.16

更新日 2022.01.07

DIYer(s)が作るショップディスプレイ~巨大フェンスをエイジング!~

東京・原宿に店を構えるアパレルショップの店内一面に、期間限定で配置された巨大なフェンスを配したディスプレイ。一見するとどこにでもありそうなフェンスですが、実は既製品では表現することのできない表情を、リメイク塗装作家である中守生和さんディレクションのもと作り上げています。マットな質感の絶妙なエイジングをどのように実現したのか、早速レポート!

 

“ニューヨークの公園にあるくたびれたフェンス”に塗り上げる!

今回依頼してくれたファッションブランドのデザイナーさんからのオーダーは“ピカピカのフェンスではなく、NYの公園にあるくたびれたフェンスの感じを表現したい”というもの。そのため、新たに購入した資材にエイジング塗装を施すことに。

 

バッグやキャップなどを陳列するための鉄鋼の板材。塗装前の状態では表面が研磨されギラギラとした質感のため、アパレルショップのディスプレイには似つかわしくない雰囲気。

 

支柱を固定するためのジョイントは写真のようにインダストリアル過ぎるので、塗装を施してシックな表情へと変化させます。

 

ディスプレイの要・フェンスは、亜鉛引きが施されておりツヤツヤ。エイジング塗装を施すことで、味のある表情へと生まれ変わらせます。

 

 

次のページでは実際にエイジング塗装の模様をご紹介。

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ツヤツヤフェンスを錆び感のあるマットな表情へ!

まずは中守さん、DIYer(s)スタッフ総出で、つや消しスプレーをフェンスへ塗布。フェンスの総面積はなんと、のべ48㎡!スプレー缶がみるみる空いていきます。

 

塗り漏れがないように重なった部分をずらしながら、丁寧に塗り上げます。

 

スプレーが乾いたら、スポンジを使ってミルクペイントのダストメディウム(汚し加工用)を部分的に塗っていきます。これが絶妙な錆び具合を表現。

 

ダストメディウムが乾いたら、ボンドと砂を使ってエイジング感を加速させます。

 

仕上がりの様子がこちら。あんなにツヤのあったフェンスが、マットな表情に変化し、部分的に白い汚れや凹凸のある錆び感が生まれています。

設置するショップの白い壁との相性がグッと高まりました。

 

ギラギラした足場材が男前なラックへ変身!

フェンス同様にまずはマットに塗装したのち、ダストメディウムを塗って部分的にエイジングの度合いを変化させます。

 

設置した際に、より目に付きやすい側面にもミルクペイントを。中守さんのこだわりが光ります。

 

上記の工程を経て完成した足場がこちら。ギラギラした質感から、クールなディスプレイラックへと変貌を遂げました。

 

続いて、その細かさに感動すら覚える、パーツへのエイジング塗装をご紹介。

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圧巻のエイジング塗装技術でパーツを仕上げる!

マットな雰囲気に仕上がっているものの、細かなパーツのテンションが異なると、せっかくのクールな表情が台無し。“神は細部に宿る”の言葉通り、圧巻のエイジング塗装を中守さんが見せてくれました。

 

ベースの塗装を終えたジョイント金具と、何もしていないジョイント金具。並べてみると、エイジング塗装の重要さがわかります。

 

パレットへ準備した塗料をつけた極細の筆で、リアルな経年変化を作り出していきます。ここはDIYer(s)スタッフも手出しのできない、中守さんの感性が落とし込まれる大事な工程です。

 

仕上がったジョイントがこちら。自然に調和して、ディスプレイの世界観を作り上げています。

 

こちらは支柱の先端にぶつかって怪我をしないためのキャップ。もともとは蛍光イエローですが、こちらも全体の雰囲気に合わせてチューニング。

 

大量にあるキャップを手作業で細かにエイジングしていきます。

 

仕上がりがこちら。ジョイントパーツとマッチングも完璧ですね。

 

そして、まだ終わりじゃないんです!最後の総仕上げまで見届けください!

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最後の総仕上げで、世界に一つだけのディスプレイが完成!

ショップへのディスプレイ設置作業中の一コマ。何やら写真中央で、作業する中守さんの姿が。

 

そう、作業場からの運搬時に剥がれや設置された時の全体のバランスを見て、最終調整をしているんです。

フェンスと支柱をつなげる白い結束バンドにもしっかりと塗装を施す配慮の細かさにはDIYer(s)スタッフも感動でした。

 

 

そして仕上がったのが、トップページでも紹介したこちらのディスプレイ。お店のスタッフさんやお客さんの声を聞くと、「本当のユーズド感だと思っていた」「言われるまで塗装だと気付かなかった」と嬉しいお言葉をいただきました。言わなければ気づかないほどのリアルなユーズド感で、“ニューヨークの公園にあるくたびれたフェンス”を無事に表現できました。

今回は大きなフェンスだったので、人数も必要でしたが、意外とシンプルな工程でトライできるエイジングペイント。皆さんも自宅にあるメタルラックなどがあれば、ぜひお試しください。

 

PROFILE

中守生和

リメイク塗装作家。会社員を経て、独学でエイジング等の塗装技術を習得。現在、アパレルショップの什器や小物、店舗お壁面、アーティスト作品の展示に使う額縁などを手がける。

facebook:https://www.facebook.com/miwa.nakamori?fref=ts

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